更衣セルフケア不足(看護計画)
目次
更衣セルフケア不足(看護計画)
いつもご覧頂きありがとうございます。
今回はセルフケア不足シリーズの更衣編ですね。
セルフケアの要因は個人的な要因と環境的要因があると思います。
1.更衣セルフケア不足の対象
・意欲低下(精神疾患や認知症など)
・認知機能低下
・身なりを気にしない
・季節や昼夜がわからない
・ボタンのかけ方外し方がわからない
・ジッパーの上げ下げがわからなくい
・精神疾患(精神疾患の方で極端に清潔行動を嫌がる方がいます)
・麻痺
・運動麻痺:自力での更衣に限界がある
・運動麻痺:自助具を必要とする
・骨折
・空間無視(視界に制限がある)
・神経筋疾患(力が入らない、不随意運動があるなど)
・座位困難、立位困難
・疼痛
・心機能障害(入浴で苦しくなる、動悸、胸痛)
・呼吸機能障害(入浴で呼吸が苦しくなる、酸素の吸入)
・関節の拘縮・変形
・消耗性疲労★1
・衣類を入手できない
★1消耗性疲労については看護計画「消耗性疲労」も参考にしてみてください。
2.目標設定
目標は患者さんを主語にして立てます。
・ADLや麻痺状況に合った自助具を選択できる。
・ADLや麻痺状況にあった衣服を選択できる。
・症状をコントロールしながらセルフケアを維持できる。
・残存機能の維持について理解できる。
看護師を主語にする場合にはつぎのようになるとおもいます。
・更衣セルフケア維持のために、ADLや障害に合わせた自助具を用意する。
・認知機能の低下による更衣ヘルスケア不足には、季節や日時を思い出してもらえる関わりを行う。
気温、場所、場面に応じた衣服が選択できるように支援する。
・本人、家族の訴えを傾聴し、不安の緩和に努める。
・残存機能を生かした生活ができるように、本人や家族へアドバイスをし、知識や技術を習得してもらう。
3.看護計画
1)観察計画《OP》
(1)身体的要因
・年齢
・認知機能:MMSE21点以下、長谷川式20点以下で認知症疑い
・入浴への意識がない(入ったか入っていないかわからない)
・浴室までの行き方がわからない
・浴室まで行きかけたが途中で目的を忘れる
・入浴のための準備ができない
・既往歴、現病歴など:更衣により自覚症状の出現がありそうなものをピックアップ
※加齢:廃用症候群、サルコペニア、フレイル
※筋骨格系疾患:可動域や関節の障害
※リウマチ、強皮症:指先の動きの障害
※脳血管疾患、脳内病変:麻痺、運動機能障害
※心疾患、弁疾患…胸痛、動悸、息切れ、めまい、失神などの出現の可能性
※肺高血圧、COPDなどの肺疾患:呼吸苦、酸素吸入の必要性
※血液疾患、凝固系異常
※骨折
※消耗性疾患:重症感染症、貧血、脱水、低たんぱく血症など
・肥満
・感覚機能障害
※糖尿病:末梢神経障害により、足先や指先の温度感覚が鈍くなる。
・ADL、IADL:入浴動作について、自力でどこまで出来るか、自分で行う意欲があるか
・介護者の介護力、介入の程度
・バイタルサイン
・血圧、脈圧、左右差、脈拍欠損
・心拍数(徐拍、頻拍)、脈拍数(徐脈、頻脈)、心拍と脈拍の差
・SPO2
・聴診:肺雑音(肺水腫)、心雑音(弁疾患3.4音)
・身体所見
・浮腫
・チアノーゼ、末梢冷感
・疼痛:
・疼痛の程度:フェイススケール、ペインスケールなど。
・疼痛出現のタイミング:安静時疼痛、労作時の疼痛
・疼痛の部位
・疼痛の種類;刺すような痛み、突然の痛み、じわじわと圧迫されるような痛みなど
・麻痺:部位、範囲、完全麻痺、部分麻痺
・麻痺の場合の残存機能
・介護者の有無、介護者の介護力
・末梢の感覚(指先・足先)
・画像検査
・XP、CT:胸水、腹水、骨折、脳の損傷部位など
・負荷試験
・6分間歩行
・筋力:MMT
・関節可動域
・自覚症状:
・呼吸困難、胸痛、動悸
・めまい
・静脈血データ
・貧血(RBC、Hb、HT)
・感染(プロカルシトニン、CRP、WBC、顆粒球・リンパ球)炎症が進むと凝固系も
・低たんぱく血症(Alb、TP)
・心原性ショック症状
・血圧低下、意識消失、尿量減少など
・心電図
・不整脈
・内服薬(6Rに添ってみてみる。どのようなものを飲んでいて、どのようなリスクがあるか確認)
(2)環境的要因
・洋服を着るための自助具の有無
・サイズの合った衣服の有無
・金銭的要因
2)行動計画《TP》
・安全・安楽・自立に配慮したケアを行う。(残存機能を生かす)
・更衣環境を整備する
・季節がわかるようにカレンダーを設置する。
・寒すぎないように室温を調整する。
・座って着替えができるように椅子を準備する。
・パルスオキシメーターや血圧計も念のために準備しておく
・衣服準備の手伝い
・必要物品の準備のてつだい(どこに何が入っていて、何を準備すればいいか思い出してもらいながら手伝う)
・更衣の手伝い
・立位の保持、座位の保持
・屈む
・ボタンの掛け外し
・ズボンや靴下の着脱
・袖を通す。袖を抜く。
・自助具の使用(マジックハンドやボタンエイドなど)
・動悸、気分不快、嘔気、めまい、浮遊感、頭痛などの出現がないか確認しながら介助する。
・疼痛でセルフケア不足になっている場合には、鎮痛薬を使用する。労作の30分前には投与する。
・ADL維持のための関節可動域訓練を行う。
・自宅でも自身でできることを支えるための環境整備をおこなう。布団→ベッドの生活など。ソーシャルワーカー、ケアマネージャーに相談し、必要なサービスが受けられるように調整する。
3)教育計画《EP》
・内服は自己中断せず、処方されたものを内服するよう説明する(自宅での療養生活を維持するために内服は大切です)。
・自覚症状(疼痛、動悸、息切れ、呼吸苦など)があったら知らせるようにお願いする。
・痛みは我慢せず、知らせるように説明する。必要に応じて鎮痛薬が使用できることを説明する。
・自助具の使用法について説明する。
・ライフスタイル変化への適応のための助言を行う。
・ADL維持や寝たきり予防のための生活リハビリや関節可動域訓練の必要性を説明する。退院後に自身でも継続できるように、ご本人とご家族に、リハビリ職から説明してもらう。
・ご家族へも手伝いすぎずに残存機能を残すための介助をするように説明する。(何をどこまで)
・自宅での生活に必要なサービスが受けられるように、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーに相談する。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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下記の関連計画も参考にしてみてください。
入浴セルフケア不足
更衣セルフケア不足
摂食セルフケア不足
排泄セルフケア不足
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