目次
急性混乱(看護計画)
いつもご覧頂きありがとうございますm(_ _)m
今回は、急性混乱について考えていきますが、その前に、「混乱」ってなんですか?
「混乱」と「せん妄」と「不穏」はどう違いますか?
そんな疑問が沸くのは私だけでしょうか?
それぞれの違いから考えていきましょう。
お急ぎの方は下のジャンプより目的位置に移動してください。
1.「混乱」「せん妄」「不穏」の違い
「混乱」は後回しにして、まず、「せん妄」と「不穏」から考えていきます。
1)せん妄
「せん妄」は診断名です。
(1)定義:
軽度の意識障害に加え、興奮や知覚障害(幻覚、妄想、錯覚)により、意思疎通が一過性に困難となる状態。
ここでのポイントは、「一過性」「意識障害」です。
(2)発症様式:
数時間~数日で発症し、日内変動がある。夜間に多い。
(3)原因:
①準備因子:認知症、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、高齢
②促進因子:入院・ICU、手術、術後疼痛、持続輸液、尿道カテーテルなどのくだ類、
暗所、睡眠不足、身体拘束、不安
③直接因子:薬剤(睡眠薬など)、アルコール、代謝異常、電解質異常、低酸素血症、
高炭酸ガス血症、感染症、脳血管障害、頭部外傷、脱水、肝機能障害、腎機能障害
(4)治療
・原因・誘因の除去
・重度のせん妄(幻覚・興奮)には、抗精神病薬
2)不穏
(1)定義:
Goo辞書では
「穏やかでないこと。状況が不安定で危機や危険をはらんでいること。」と紹介されています。
「せん妄」が診断であるのに対し、「不穏」は、患者に現れている「状態」「症状」「行動」を表す言葉となっています。
不穏はせん妄と異なり、「意識障害」を伴いません。
(2)不穏の具体的症状
・興奮
・落ち着きがない
・支離滅裂
・点滴などのクダ類を自己抜去する
(3)不穏の原因
・疼痛
・せん妄(せん妄による不穏)
3)混乱confusion
(1)定義:
混乱は、当惑させる[させられる]こと
・不明瞭、曖昧
・混同、取り違え
・混乱状態、無秩序
・当惑、困惑、戸惑い
看護診断「急性混乱」の「関連因子」、「ハイリスク群」「関連する状態」を見ますと、
脳血管障害歴がある、脱水、身体拘束、意識レベル低下などが含まれ、
せん妄を満たす条件となっています。
この「混乱」は「せん妄」と近い感覚で考えて良いのではないかと思います。
「急性」がつくことで「一時的、一過性」のせん妄とかんがえることができます。
「せん妄」以外は曖昧な定義で、明確な違いを見つけるのは困難でした。すみません。
でも、一般的に「混乱」と言ったら、
・思っていたことと違っていたので混乱した。
・高速道路上での玉突き事故で現場は混乱している。
などといった具合に使い、病態をあらわすのは難しいように感じます(個人の感想です)
・患者は急性混乱しています。
といわれてもどんな状態かピンと来ません。
・患者は大声を出し、不穏状態です。
・患者は夜間になると幻聴が現れ、せん妄となります。
といわれたほうが、状態をイメージしやすく、情報が共有されやすいように感じます。(個人の感想です)
脳への代謝障害や脳のダメージで「混乱」をきたしている状態に対して介入する計画のようなので、せん妄を意識して、計画を立案していきます。
ただ、せん妄は低活動性せん妄という分類もあります。見当識障害や記憶障害をきたしているが危険行動はなく、落ち着いている場合がそうです。今回の「急性混乱」は、低活動性せん妄ではなく、活動性のあるせん妄のイメージで立案します。
せん妄は、臨床でも、術後や高齢者に多く見られます。つい薬を使ったり、抑制をしてしまいがちですが、それらは最終手段です。日中の活動性を増やしたり、人間関係を構築して環境に慣れてもらったりと出来ることをしてみることから始めてみるのがベストですね。
2.急性混乱の対象
既に以下の症状がでている人が対象です。
・意識障害(見当識障害・記憶障害)がある
・興奮(大声を出す、多弁、罵るなど)がある
・知覚障害(幻覚、妄想、錯覚)がある
・不穏(落ち着きのなさ)がある
・点滴の自己抜去、柵を乗り越えようとするなどの危険行動がある。
・意思疎通が一過性に困難
3.目標設定
目標は患者さんを主語にして立てます。
・安心して療養生活を送ることができる。
・安心して治療を受けられる。
・活動と休息のバランスが良い状態となる。
看護師を主語にする場合にはつぎのようになるとおもいます。
・安全な環境を提供する。
・適切な頻度で巡視をする。
・せん妄の頻度が少なくなるよう支援する。
4.看護計画
1)観察計画《OP》
(1)せん妄の原因となるもの
①準備因子(もともと素因がある)
・認知症
・脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
・脳腫瘍
・頭部外傷
・高血圧
・糖尿病
・高齢
②促進因子(せん妄を誘引する間接的な原因となる)
・入院
・ICU管理
・手術
・疼痛
・持続輸液・尿道カテーテルなどのくだ類
・暗所
・睡眠不足
・身体拘束
・不安
③直接因子(せん妄を引き起こす直接的な原因となる)
・薬剤(睡眠薬など)
・アルコール
・代謝異常(甲状腺機能異常、副腎皮質機能異常、下垂体機能異常)
・電解質異常
・低酸素血症
・高炭酸ガス血症
・感染症
・脱水
・肝機能障害
・腎機能障害
(2)身体状況
・バイタルサイン
・意識レベル、記憶障害、見当識障害
・せん妄歴
・幻覚、妄想
・認知障害(長谷川式20点以下、MMSE21点以下)
・疾患:脳血管疾患、脳腫瘍、脳外傷
・疾患の治療経過
・治療内容
・現在の療養環境(ICU、ナースステーションからの距離、多床室)
・疼痛の部位、程度、鎮痛剤の使用
・ADL、IADL
・要介護度
・睡眠と活動のバランス
・不眠(音や頻尿、環境変化など)
・活動・生活範囲(ベッド周囲のみ、室内のみなど)
・消極的言動、無気力、不安
・面会の可否
・馴染みの人がいるかどうか(医師、看護師、リハビリ、SWなど)
2)行動計画《TP》
原因と誘因の除去を行う。
①環境整備
・静かで明るすぎない、落ち着いた環境にする。(モニターの音でせん妄になる場合もある)
・自己抜去や柵の乗り越えなどで目が離せない場合には、落ち着くまでナースステーションからの距離が近い部屋に移動する。
・馴染みのもの(時計や小物等)を持ってきてもらい、配置する。
・面会でご家族に会ってもらう機会を設ける。
・できる限り、こまめに訪室する(覗くだけでもいいのでほったらかしにしない)。
②原因除去
・直接原因となっている疾患がある場合には、治療計画に沿って、医師の指示の下、食事の介助、投薬などを行う。
・抑制などが原因となっている場合には、抑制の妥当性を検討する。
・点滴、バルンカテーテルなどの管類は見えないように工夫する(裾を通す、包帯を巻くなど)
・寄り添ったり傾聴したりして、関係づくりをする。
安心できる環境であることを理解してもらう。
叱ったり、説教したりするとかえって不信感や恐怖となり、逆効果なのでしない。
・痛みがあれば医師の指示に従い、鎮痛薬の投与などをする。
③昼夜のバランス
・昼間はできるだけ車椅子に載せたり、テレビを見せたりして覚醒を促し、夜間眠れるようにする。
・気分転換活動を取り入れる。
④記録をする
・いつ、どの様なせん妄が起きて、どのように対処したかを記録しておく。
(どの対処が効果的であったか評価できる。)
3)教育計画《EP》
・治療の経過や内容について説明する。
・退院の目安について説明する。
・昼夜、日時、曜日について理解できるよう説明する。
・場所について理解できるよう説明する。
・安心できる場所であることを説明する。
・ご飯をちゃんと食べて、水分も適度に取るように伝える。
・活動と休息のバランスについて説明する。
・痛みがあれば我慢しないで知らせていいことを伝える。
・わからないこと、不安なことは相談できることを伝える。
・ご家族の面会時間について説明する。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ご意見、感想などがございましたら、したのコメント欄よりお寄せください。
関連の計画も参考にしてみてください。
急性疼痛
慢性疼痛
身体損傷リスク状態・損傷リスク状態
転倒転落リスク状態
皮膚統合性障害
皮膚統合性障害リスク状態
慢性混乱


[…] 急性混乱(看護計画) […]
[…] 急性混乱(看護計画) […]
[…] 急性混乱(看護計画) […]