入浴セルフケア不足(看護計画)
目次
入浴セルフケア不足(看護計画)
いつもご覧頂きありがとうございます。
今回の入浴セルフケア不足はなんとなくイメージしやすいとおもいます。
麻痺で単にその作業ができないというだけでなく、「入浴」という行為に意識が向かない場合や嫌がる場合も含めて考えていきましょう。
1.入浴セルフケア不足の適応
・認知機能低下(「入浴」を嫌がる、入浴がわからなくなる)
・精神疾患(精神疾患の方で極端に清潔行動を嫌がる方がいます)
・麻痺
・運動麻痺:自力での洗体に限界がある
・運動麻痺:自助具を必要とする(スライドボード、滑り止め、リフトなど)
・感覚麻痺:お湯の温度がわからない
・骨折
・空間無視(視界に制限がある)
・神経筋疾患(力が入らない、不随意運動があるなど)
・疼痛
・心機能障害(入浴で苦しくなる、動悸、胸痛)
・呼吸機能障害(入浴で呼吸が苦しくなる、酸素の吸入)
2.目標設定
目標は患者さんを主語にして立てます。
・自身のADLに合わせた入浴環境を整えることができる。
・入浴の効果について理解できる。
・自身のADLに合わせて安全に入浴できる。
看護師を主語にする場合にはつぎのようになるとおもいます。
・セルフケア維持のために、ADLや障害に合わせた入浴環境を整える。
・認知機能の低下による入浴拒否には、安心感を与える声かけや援助を行う。
・患者さんの訴えを傾聴し、不安の緩和に努める。
・残存機能を生かした生活ができるように、本人や家族へアドバイスをし、知識や技術を習得してもらう。
3.看護計画
1)観察計画《OP》
(1)身体的要因
・年齢
・認知機能:MMSE21点以下、長谷川式20点以下で認知症疑い
・入浴への意識がない(入ったか入っていないかわからない)
・浴室までの行き方がわからない
・浴室まで行きかけたが途中で目的を忘れる
・入浴のための準備ができない
・既往歴、現病歴など:入浴により自覚症状の出現がありそうなものをピックアップ
※心疾患、弁疾患…胸痛、動悸、息切れ、めまい、失神などの出現の可能性
※肺高血圧、COPDなどの肺疾患:呼吸苦、酸素吸入の必要性
※血液疾患、凝固系異常
※骨折
※自律神経失調症:入浴というきっかけで、自律神経系のバランスが崩れ、動悸、発汗、めまい、ほてり、頭痛、腹痛、吐き気、ふるえなどがおこる→「入りたくない」と2次的に入浴拒否が起こる
・肥満
・感覚機能障害
※糖尿病:末梢神経障害により、足先や指先の温度感覚が鈍くなる。
・ADL、IADL:入浴動作について、自力でどこまで出来るか、自分で行う意欲があるか
・介護者の介護力、介入の程度
・バイタルサイン
・血圧、脈圧、左右差、脈拍欠損
・心拍数(徐拍、頻拍)、脈拍数(徐脈、頻脈)、心拍と脈拍の差
・SPO2
・聴診:肺雑音(肺水腫)、心雑音(弁疾患3.4音)
・身体所見
・浮腫
・疼痛:
・疼痛の程度:フェイススケール、ペインスケールなど。
・疼痛出現のタイミング:安静時疼痛、労作時の疼痛
・疼痛の部位
・疼痛の種類;刺すような痛み、突然の痛み、じわじわと圧迫されるような痛みなど
・麻痺:部位、範囲、完全麻痺、部分麻痺
・麻痺の場合の残存機能
・介護者の有無、介護者の介護力
・末梢の感覚(指先・足先)
・画像検査
・XP、CT:胸水、腹水、骨折、脳の損傷部位など
・負荷試験
・6分間歩行
・筋力:MMT
・自覚症状:
・呼吸困難、胸痛、動悸
・末梢の感覚障害
・意識障害(高血糖など)
・めまい
・静脈血データ
・出血傾向:PLT(血小板)、PT(プロトロンビン時間)、APTT(部分トロンボプラスチン)
・高血糖:GLU、HbA1C
・中性脂肪、総コレステロール、HDL、LDL
・高血圧を示す症状
・鼻出血、血圧上昇など
・心原性ショック症状
・血圧低下、意識消失、尿量減少など
・心電図
・不整脈
・内服薬(6Rに添ってみてみる。どのようなものを飲んでいて、どのようなリスクがあるか確認)
(2)環境的要因
・家に浴室があるか
・浴室の環境:風呂内に段差がある、てすりがない、浴室まで遠い
・生活の地域:寒冷地帯
2)行動計画《TP》
・安全・安楽・自立に配慮したケアを行う。(残存機能を生かす)
・入浴環境を整備する
・浴室がわかるように目印を付ける
・脱衣所に椅子を設置する。
・パルスオキシメーターや血圧計も念のために準備しておく
・段差の解消、手すりの設置
・脱衣所と浴室の温度差の是正
・マットレス、スライディングボードなどの設置
・湯温の調整
・入浴準備の手伝い
・必要物品の準備のてつだい(どこに何が入っていて、何を準備すればいいか思い出してもらいながら手伝う)
・脱衣の手伝い
・ボタンの掛け外し
・ズボンやパンツの着脱
・立位の保持
・洗体の手伝い
・脇や背中、足の指の間までなどまでちゃんと洗えているか確認する。
・洗体の途中に呼吸苦や息切れが見られないか確認する。
・浴槽に浸かるための手伝い
・足先からゆっくり入ってもらう。
・動悸、気分不快、嘔気、めまい、浮遊感、頭痛などの出現がないか確認しながら解除する。
・ナースコールの位置を教える。何かあればこれを押すことを伝える。
・長湯にならないように適度なところで声をかける。
・適温の湯温にするように声掛けをする。
・浴槽から上がる手伝い
・めまい、気分不快、失神の出現がないかを確認しながら介助する。
・足元が濡れて滑りやすくなっていることを説明しながら介助する。
・更衣の手伝い
・手順ができているか
・ボンベの量が残っているか確認する。
・酸素使用中は、酸素の投与デバイス・投与量・意識状態を確認する。酸素が確実に投与されているか、ルートをたどって確認する。引っ張らないように環境整備を行う。
・入浴などの労作時に酸素を増量する場合には量の増減を行う。ご本人が行っている場合は正しい手順で出来ているか確認する。
・疼痛でセルフケア不足になっている場合には、鎮痛薬を使用する。労作の30分前には投与する。
・自宅でも自身でできることを支えるための環境整備をおこなう。ソーシャルワーカー、ケアマネージャーに相談し、必要なサービスが受けられるように調整する。
3)教育計画《EP》
・内服は自己中断せず、処方されたものを内服するよう説明する(自宅での療養生活を維持するために内服は大切です)。
・自覚症状(疼痛、動悸、息切れ、呼吸苦など)があったら知らせるようにお願いする。
・痛みは我慢せず、知らせるように説明する。必要に応じて鎮痛薬が使用できることを説明する。
・酸素ボンベへの接続、使用法を説明する。
・自宅で酸素を使用する場合も火気厳禁は同様で、最低でも火気より2mは離れる必要があると説明する。
・ライフスタイル変化への適応のための助言を行う。
・ご家族へも手伝いすぎずに残存機能を残すための介助をするように説明する。(何をどこまで)
・自宅での生活に必要なサービスが受けられるように、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーに相談する。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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