いつもご覧いただきありがとうございます☺
検査シリーズとしていくつかの検査に分けてご紹介していきます。
まずシリーズ1は、血液検査について触れていきます。
実習、臨床での参考にしていただければ幸いです。
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
目次
- 1.血液一般検査
- 2.凝固・線溶系
- 3~5.生化学検査
- 3.生化学①: 肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症、ワ氏検査
- ★生化学①一覧表★
- ★TP(総蛋白)★
- ★ALB(アルブミン)★
- ★A/G(アルブミン/グロブリン比)★
- ★BUN(血清尿素窒素)★
- ★NH3(アンモニア)★
- ★UA(尿酸)★
- ★Cre(血清クレアチニン)★
- ★CCr(クレアチニン・クリアランス)★
- ★ALP(アルカリ性フォスファターゼ)★
- ★AMY(アミラーゼ)★
- ★Ch-E(コリンエステラーゼ)★
- ★CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)★
- ★AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)※GOTとも★
- ★ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)※GPTとも★
- ★γ-GTP(γグルタミルトランスペプチターゼ)★
- ★LDH(血清乳酸脱水素酵素)★
- ★FBS(空腹時血糖)★
- ★T-Bil(総ビリルビン)★
- ★D-Bil(直接ビリルビン)★
- ★HbA1c(グリコヘモグロビンA1c)★
- ★フルクトサミン★
- ★IGC(インドシアニングリーンテスト)★
- ★TL (total lipoid) 総脂質★
- ★リパーゼ★
- ★T-cho(総コレステロール)★
- ★HDL(高比重リポ蛋白)★
- ★LDL(低比重リポ蛋白)★
- ★TG(中性脂肪)★
- ★CRP(C反応性タンパク)★
- ★プロカルシトニン★
- ★ワッセルマン反応(ワ氏検査)★
- TOPICS:T-spotとクォンテイフェロン
- ★結核感染の指標(T-spotとクォンテイフェロン)★
- 4.生化学② 電解質・ホルモン
- 5.生化学② 腫瘍マーカー
- 6.血液ガス検査
1.血液一般検査

※ 血算:スピッツ(藤色) 抗凝固剤入り 採血量2ml必要
※ 全血を使用。 このスピッツは血液一般検査、血球算定検査に使用される。
※ シリンジ採血の場合:凝固(黒)→血算(茶)→血糖(灰)→生化学(藤)の順に採血する。
※ 真空管採血の場合:生化学→凝固→血算→血糖の順に採血する
★血液一般検査項目一覧表★

★赤血球★
・役割:肺から組織へO2運搬、組織から肺へCO2運搬
・基準値:
①男性:440~560万個/㎣
②女性:380~520万個/㎣
・高値:脱水、ショック、多血症
・低値:貧血、出血
★Ht(ヘマトクリット)★
・役割:血液中に占める赤血球の割合
・基準値:
①男性:38~52%
②女性:34~46%
・高値:脱水、ショック、多血症
・低値:貧血、出血
★Hb(血色素)★
・役割:赤血球の中にあるヘモグロビン量
・基準値:
①男性:13~17g/dl
②女性:12~15g/dl
・高値:脱水、ショック、多血症
・低値:貧血、出血
★Fe(鉄)★
・役割:Feの体内での分布は、Hb内に3g、血清に3~4mg、
貯蔵鉄として肝臓などに1g、計4~5gが体内に存在する
・基準値:
①男性:80~200μg/dl
②女性:70~180μg/dl
・高値:骨髄低形成、無効造血、溶結性貧血、ヘモジデローシス
肝炎、肝硬変
・低値:鉄欠乏性貧血、赤血球増多症、二次性貧血
★赤血球沈降速度検査★
・役割:赤血球と繊維素(フィブリノゲンなど)が結合して塊になる速度
・基準値:
①男性:1~7mm
②女性:3~11mm
・高値:組織破壊、炎症、膠原病、貧血、フィブリノゲン増加
・低値:赤血球増多、フィブリノゲン減少、水分増加、アルブミン増加
★WBC(白血球)★
・役割:細菌感染に対する防御機構
・基準値:4500~9000/μl
・高値:出血、炎症、急性白血病、心筋梗塞、ストレス、ヘビースモーカー
・低値:再生不良性貧血、白血病、悪性貧血、SLE、腸チフス、感染、麻疹、薬物副作用
★血小板★
・役割:
止血作用、プロトロンビンをトロンビンに変える作用
・基準値:16.3~42.8万/μl
・低値:
・骨髄での産生低下
(再生不良性貧血、白血病、骨転移)
・血小板の破壊亢進
(肝硬変、膠原病、ITP)
・消費性凝血障害
(敗血症、不適合輸血)
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
2.凝固・線溶系

※ 凝固:スピッツ(黒色) 抗凝固剤クエン酸入り 採血1.8ml必要
※ 血漿を使用。 抗凝固剤との比率が重要で、正確な検査をするためには既定の
採血量を採取する必要がある。
※ シリンジ採血の場合:凝固(黒)→血算(茶)→血糖(灰)→生化学(藤)
※ 真空管採血の場合:生化学→凝固→血算→血糖”
★凝固・線溶系の一覧表★

★プロトロンビン時間★
・役割:止血にかかわる外因系因子(Ⅴ、Ⅶ、Ⅹ因子、フィブリノゲン)異常
・基準値:70~120%(10~13秒)
・高値(延長):肝硬変、劇症肝炎(プロトロンビン生成障害)、
ビタミンK欠乏、DIC、線溶系亢進、抗凝固薬投与(ワルファリン、ヘパリン)
★APTT(活性部分トロンボプラスチン時間)★
・役割:内因系凝固(Ⅷ、Ⅸ、Ⅺ因子)の異常
・基準値:25~40秒
・高値(延長):血友病(Ⅷ因子欠乏)、DIC、線溶系亢進、肝硬変、
劇症肝炎(凝固因子、プロトロンビン生成障害)、抗凝固薬投与(ワルファリン、ヘパリン)
★FDP(フィブリン分解産物)★
・役割:フィブリノゲン、フィブリン分解産物
・基準値10μg/ml以下
・高値:血栓症、DIC、線溶系亢進、やけど、手術後感染、肝硬変、
劇症肝炎(凝固因子、プロトロンビン生成障害)、ウロキナーゼ大量投与、悪性腫瘍
★Dダイマー★
・役割:フィブリン分解産物、血栓がある可能性を示唆する
・基準値:<500ng~1μg/ml
・高値:深部静脈血栓症、炎症、肺血栓塞栓症、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など
★フィブリノゲン★
・役割:血症中に0.3g/dl程度含まれるグロブリンの一種。トロンビンに活性化されるとフィブリンとなる
・基準値:170~410mg/dl
・高値:血管損傷、炎症、ネフローゼ、脳血管疾患、心筋梗塞、感染
・低値:重症肝障害、DIC、大量出血、悪性貧血、白血病
★血小板★
・役割:
止血作用、プロトロンビンをトロンビンに変える作用
・基準値:16.3~42.8万/μl
・低値:
・骨髄での産生低下
(再生不良性貧血、白血病、骨転移)
・血小板の破壊亢進
(肝硬変、膠原病、ITP)
・消費性凝血障害
(敗血症、不適合輸血)
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
3~5.生化学検査

3.生化学①: 肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症、ワ氏検査

※ 生化学:スピッツ(茶色・分離剤入り) 採血量3~5ml必要
※ 血清を使用。このスピッツで栄養状態、腎機能、肝機能、電解質、感染症、
腫瘍マーカー、甲状腺機能を調べられる。
※ シリンジ採血の場合:凝固→血算→血糖→生化学
※ 真空管採血の場合:生化学→凝固→血算→血糖”
★生化学①一覧表★






★TP(総蛋白)★
・役割:体内に必要なタンパク質は、血漿に8%含まれている。総蛋白はアルブミンとグロブリンで占める。
(7割がアルブミンで3割がグロブリン)
・基準値:6.5~8.0g/dl
・高値の原因:
・グロブリンの増加:急性感染症、慢性感染症、骨髄腫など
・アルブミン・グロブリンの増加:脱水、消化管閉塞、ショック、アジソン病、糖尿病など
・低値の原因:
・アルブミン減少:タンパク尿、浸出液増加、漏出液増加
・タンパク供給不足:がん、消化管の障害
・合成障害:肝機能障害、貧血
・分解促進:重症糖尿病、甲状腺機能亢進症
★ALB(アルブミン)★
・役割:肝臓で1日10g合成される。ホルモンやビリルビン、薬剤などの
水に溶けない物質を臓器や組織に運搬したり、血漿浸透圧を保つ。
・基準値:3.7~5.2g/dl
・低値の原因:
・栄養不足:摂取量不足や腸管の吸収障害
・体外への喪失:ネフローゼ、下痢、出血、やけど、外傷、褥瘡
・肝機能障害による合成障害
・破壊亢進:急性炎症、がん、火傷、外傷、甲状腺機能亢進症
★A/G(アルブミン/グロブリン比)★
・役割:血清タンパクはアルブミンとグロブリンに分かれ、比率は一定である。
その比率の変動により疾患の推測ができ、鑑別に役立てる
・基準値:
塩析法:1.0~1.5
ろ紙電気泳動法:1.6~1.9
屈折法:1.5~2.4
・高値:
・無グロブリン血症
・低グロブリン血症
・低値:
・アルブミン減少:肝機能障害、悪液質、糖尿病、栄養不良
・グロブリン増加:多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、膠原病、
悪性リンパ腫、梅毒、関節リウマチ、慢性感染症
★BUN(血清尿素窒素)★
・役割:尿素は肝臓でアンモニアから合成されてできる蛋白質の
最終代謝物質。腎臓から排泄される。
・基準値:6~20mg/dl
・高値:
・原料の増加:高タンパクの摂取、消化管出血
・排泄の減少:腎血流量の減少(ショック、手術、脱水、嘔吐、下痢)、
腎糸球体の障害、尿路の閉塞
※50mg/dl以上は腎不全を100mg/dl以上は尿毒症を疑う
・低値:
・原料の減少:タンパク摂取量の減少、妊娠末期、慢性腎不全
・合成障害:肝機能障害
★NH3(アンモニア)★
・役割:神経の興奮時や筋肉収縮時に、肝臓でアミノ酸から製造される。
ほとんどは尿素となる。
尿素は尿から排泄される。プリン体生成やアミノ基転換にも関与している。
肝機能障害で尿素にならずアンモニアとして留まると肝性脳症などの症状が出る。
・基準値:
全血:100~150μg/dl
血漿:12~66μg/dl
・高値:
・劇症肝炎、肝性昏睡など重症肝臓障害:
※尿素へ変換されずアンモニアが蓄積し脳へダメージ。
・ショック:血流量低下により増加
・過激な運動:筋の過度の使用
・先天性尿素サイクル酵素欠損
・低値:
・低たんぱく血漿、貧血
★UA(尿酸)★
・役割:尿酸は体内のプリン体 (アデニン・グアニン)の終末産物で、肝臓で生産される。排泄は腎臓から。
・基準値:
男性:3.0~7.5mg/dl
女性:2.6~5.0mg/dl
尿:0.4~1.0g/日
・高値:
①尿酸過剰産生
・細胞破壊亢進:痛風、多血症、白血病、骨髄腫、がん
・高プリン体食摂取:脂肪食、 アルコール飲料
・プリン生合成亢進:痛風、糖原病
②尿酸排泄低下
・腎機能低下
・高乳酸血症:アルコール中毒
・ケトン体増加:飢餓、糖尿病、肥満
・薬剤:利尿剤、エタンブトール、フェノバール
・細胞外液減少:脱水、尿崩症
・低値:
低プリン食による尿酸再吸収障害妊娠、多尿、痛風による排泄低下
★Cre(血清クレアチニン)★
・役割:筋肉でエネルギーとして使用されたクレアチンとクレアチンリン酸で合成される
最終物質。血液中に放出されると腎の糸球体でろ過されるが、
尿細管で再吸収されずに、尿中へ排泄される。
糸球体ろ過機能を反映する指標となる。
・基準値:0.6~1.3g/dl
・高値:
・排泄障害:前立腺肥大、がん、尿路結石、腎障害
・体内水分量の不足:腸閉塞、脱水
・腎血流量低下:ショック、心不全
・低値:
・大量輸液、人工透析、尿崩症
★CCr(クレアチニン・クリアランス)★
・役割:血清クレアチニン値と尿中クレアチニン値を測定することにより、
糸球体ろ過値(GFR)を推測する。
・基準値:70~130ml/分
・高値:
・排泄障害:前立腺肥大、がん、尿路結石、腎障害
・体内水分量の不足:腸閉塞、脱水
・腎血流量低下:ショック、心不全
・低値:
・大量輸液、人工透析、尿崩症
★ALP(アルカリ性フォスファターゼ)★
・役割:リン酸エステルをアルコールと無機リンに分解する酵素で、
ほとんどの臓器に含まれている。
ALPは肝臓から胆汁に排泄されるため、胆道系疾患や
肝臓疾患で高値を示す。
”アイソザイム1~6で障害部位も特定できる”
・基準値:
30~120U/l
★アイソザイム★
ALP1:肝臓
ALP2:肝臓
ALP3:胆汁うっ滞、骨、甲状腺機能亢進”
ALP4:胎盤、肺、すい臓
ALP5:小腸、大腸
ALP6:大腸、肝臓、骨
・高値:
肝臓、胆道系疾患、肝臓がん、骨疾患、
甲状腺機能亢進症、慢性腎不全
★AMY(アミラーゼ)★
・役割:でんぷんを分解し、マルトースとグルコースにする
消化酵素で、唾液・膵液に含まれる。
唾液・膵液はアイソザイムで疾患を特定できる。
(膵臓:P型唾液:S型)
・基準値:
血清:0~130IU/L
尿:265~2100IU/L
・高値:
★尿・血清とも高値
・膵疾患:膵炎,膵臓がん
・唾液疾患:急性耳下腺炎
・胆嚢疾患:胆石、胆嚢炎
・消化器疾患:胃・十二指腸潰瘍腸閉塞、腸破裂、腹部外傷
・外科手術後・ショック
★血清のみ高値
・腎不全、マクロアミラーゼ血症
・低値:
★尿・血清とも低値
・膵疾患末期、高度糖尿病、肝硬変、膵臓切除後
★Ch-E(コリンエステラーゼ)★
・役割:コリンエステルをコリンと酢酸に加水分解する触媒酵素。
骨格筋や神経細胞に分布するアセチルコリンエステラーゼと、
血清・膵臓に分布する偽コリンエステラーゼがある。
コリンエステラーゼは肝臓のタンパク合成能に依存しているため、
肝臓のタンパク合成機能を表す指標として用いられる
・基準値:600~1400U/L
・高値:
・ネフローゼ症候群:タンパクが漏出するとタンパク欠乏が起き、コリンエステラーゼが余り高値となる。
・脂肪肝:肝機能が低下し、タンパク合成量が少なくなると上と同じ状況となる。
・糖尿病:アセチルコリンが蓄積する。
・低値:
・肝臓病:コリンエステラーゼの合成が少なくなる。
・全身消耗性疾患:低栄養状態で肝臓への栄養供給不足で、コリンエステラーゼの合成が少なくなる。
・有機リン中毒:農薬などの毒性で肝での、コリンエステラーゼ合成減少。
★CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)★
・役割:骨格筋、心筋、脳にある酵素。筋のエネルギー代謝に関与する。
骨格筋、心筋、脳細胞が壊死、変性崩壊、虚血などの状態となると
逸脱し血中に流出する。3つのアイソザイムがあり、部位を特定できる。
・基準値:
男性:5~348U/L
女性:29~145U/L
・高値:
★アイソザイムによって疾患の鑑別ができる★
BB型:脳疾患
MB型:心筋疾患
MM型:筋肉疾患
★AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)※GOTとも★
次項の「ALT」と併せて見ることで疾患の推測ができる。
・役割:アミノ酸を分解するための酵素。
すべての臓器に含まれるが特に、
心臓>肝臓>骨格筋>腎臓>膵臓>脾臓>肺の順に
多く含まれている。
・基準値:0~38IU/L
★ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)※GPTとも★
前項の「AST」と併せて見ることで疾患の推測ができる。
・役割:アミノ酸を分解するための酵素。肝臓に特に特異性が高い。
・基準値:0~35IU
【ASTとALTの関係】
・肝臓疾患でともに高値となる
・急性肝炎(500IU)↑:ALT>AST
・慢性肝炎(50~300IU):ALT>AST
・肝硬変・肝癌(50~100IU):ALT>AST
・脂肪肝:ALT軽度上昇、Ch-E上昇
・アルコール性肝障害:ALT軽度上昇、γGTP上昇
・閉塞性黄疸:AST軽度上昇、ALP上昇
・うっ血肝:AST軽度上昇
・急性心筋梗塞:AST上昇、CPK上昇
・筋疾患:AST軽度上昇、CPK上昇
・甲状腺機能亢進症:ALT,ALP上昇
【AST/ALT比】
・1以上の場合にはアルコール性肝炎や肝硬変
を疑う
・1以下の場合には急性ウィルス肝炎の回復期
慢性肝炎、脂肪肝を疑う
★γ-GTP(γグルタミルトランスペプチターゼ)★
・役割:アミノ酸代謝に関与する酵素。
腎尿細管>膵臓>肝臓>脾臓>小腸>脳>心筋の順に多く存在。
肝臓や胆道系疾患に異常値を示す。
・基準値:
男性:5~80IU/L
女性:5~70IU/L
・高値:
・アルコール性肝障害
・胆汁うっ血性肝障害
・薬剤性肝障害
・膵頭部癌
・心筋梗塞
★LDH(血清乳酸脱水素酵素)★
・役割:グルコースをピルビン酸から乳酸に分解する酵素。
アイソザイムが5種ある。
・基準値:106~211U/L
・高値:
アイソザイムにより疾患の推測ができる。
・LDH1:心筋梗塞、悪性貧血、溶血
・LDH2:筋ジストロフィ、肺梗塞、溶血、肝癌
・LDH3:筋ジストロフィ、肺梗塞、肝癌
・LDH4:急性肝炎、肝癌
・LDH5:急性肝炎、肝癌
※赤字は特に上昇する疾患
★FBS(空腹時血糖)★
・役割:血中グルコース濃度。組織細胞のエネルギー源となる。
肝臓でグリコーゲンに合成される。
・基準値:60~110mg/dl
・高値:
糖尿病、慢性肝疾患、肥満内分泌疾患、中枢神経系疾患
・低値:
高インスリン血症、副腎皮質機能低下症
★T-Bil(総ビリルビン)★
・役割:
肝臓、脾臓、リンパ節、骨髄で老廃赤血球ヘモグロビンの代謝産物
として生成されるのが間接ビリルビン。
間接ビリルビンは脂溶性。
ヘモグロビン分解を経ず、肝臓や骨髄で赤血球から直接ビリルビンに
生成される直接ビリルビンがある。直接ビリルビンは水溶性。
胆汁色素成分として1日に250~300mgが生成される。
排泄は胆汁内(十二指腸へ)とウロビリノーゲンとして便から。
血中ビリルビン値から、排泄程度の異常を知ることができる。
・基準値:0.2~1.0mg/dl
・高値:
・肝臓の疾患:肝細胞、胆汁うっ滞
・胆道への胆汁の流出障害:
・溶血:赤血球破壊亢進
★D-Bil(直接ビリルビン)★
・役割:ヘモグロビンの分解過程を経ず肝臓やすい臓で生成された水溶性のビリルビンで、直接ビリルビンと呼ばれる。
・基準値:0~0.3mg/dl
・高値:
・肝臓疾患:肝機能低下によりビリルビン代謝が障害され、増加する。
・胆道系疾患:胆道の閉塞により増加
・体質性黄疸
★HbA1c(グリコヘモグロビンA1c)★
・役割:血糖の高い状態が持続すると、数週間を経て
ヘモグロビンのアミノ基にブドウ糖が強く結合する。
赤血球の寿命120日から、糖尿病患者の1~2か月前の
血糖コントロール状態を知ることができる。
・基準値:4.0~6.0%
・高値:血糖コントロール不良
★フルクトサミン★
・役割:血清タンパク(アルブミンやグロブリン)とブドウ糖が
無酵素で結合したもので、タンパクの寿命(半減期15~20日)に
より糖尿病患者の10~14日の血糖コントロール状態を反映する
・基準値:2.2~3.0mmol/L
・高値:血糖コントロール不良、甲状腺機能低下症
・低値:出血、溶血性貧血、低たんぱく血症
★IGC(インドシアニングリーンテスト)★
・役割:ICG色素は肝臓で代謝されて、胆汁中に排泄される。
肝臓の血流量と肝細胞の色素排泄能力がわかる。
・基準値:
5分後: ICG血中停滞率 10%以下
・高値:
肝炎、肝臓循環障害、胆汁流出障害、肝硬変、
肝腫瘍、中毒性肝障害
その他:うっ血性心不全、ショック、大静脈閉塞、
抗菌剤、胆嚢造影剤、抗生剤など
★TL (total lipoid) 総脂質★
・役割:
脂肪酸とアルコールの化合物である単純脂質や、
コレステロールや、他の化合物と結合した複合脂質のこと。
単純脂質はエネルギーの貯蔵体として脂肪組織にあり、
複合脂質は生体膜の構成成分である。
・基準値:370~720mg/dl
・高値:上昇する脂質の構成成分により原因が異なる。
・低値:重症肝障害、劇症肝炎、肝硬変により脂質代謝機能が低下して起きる。
★リパーゼ★
・役割:膵液中にあり、脂肪をトリグリセリドと脂肪酸に分解し、
腸管より吸収しやすい形にする酵素。
・基準値:
血液: 10~100U/L
尿: 18.0U/L以下
・高値:
血液:急性膵炎、慢性膵炎、膵外傷、膵臓がん、乳頭がん、慢性腎炎、腎不全
尿:膵炎、胃液分泌機能異常症、腸障害、リンパ腫
★T-cho(総コレステロール)★
・役割:脂質の一種で、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、
遊離脂肪酸をいう。
肝臓で合成され、エネルギーの供給、細胞膜の構成成分、
胆汁酸の成分、ステロイドホルモン、性ホルモンの材料として利用される。
血管壁の維持強化に重要な役割を果たしている。
・基準値:130~220mg/dl
・高値:
・原発性:
・遺伝性:高コレステロール血症
・続発性:糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、
閉塞性黄疸、多発性骨髄腫、
薬剤(サイアザイド系、経口避妊薬、抗精神病薬、ステロイドホルモン)
・低値:
・タンパク合成低下:劇症肝炎、 肝硬変
・タンパク摂取不良:栄養失調
★HDL(高比重リポ蛋白)★
・役割:肝臓で合成されるリポ蛋白の一種。
血管の内膜や細胞に付着した余分なコレステロールを取り除き、
肝臓へ送り返す作用がある。
・基準値:
男性: 30~70mg/dl
女性: 30~90mg/dl
・低値:
・合成低下: 肝細胞障害、インスリン依存性糖尿病、
肝動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、
慢性腎不全、慢性関節リウマチ、高リポ蛋白血症、肥満
・異化亢進: 甲状腺機能亢進症
★LDL(低比重リポ蛋白)★
・役割:細胞膜成分やステロイドホルモン合成の材料となる。
血液中で過剰となると、血管に沈着し蓄積すると動脈硬化を起こす。
・基準値:140~460mg/dl
・高値:
・甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン低下で、コレステロールの胆汁への排泄が減少。
・肝臓疾患:閉塞性黄疸、胆石、肝癌、脂肪肝では胆汁への
コレステロール排泄が障害されて高値になる。
・ネフローゼ、糖尿病、急性膵炎、家族性高リポ蛋白血症
・低値:
・甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモン増加により、コレステロールの
胆汁への排泄が増加する。
・低βリポ蛋白血症
・肝硬変・劇症肝炎では、タンパク合成能が低下する
★TG(中性脂肪)★
・役割:脂肪酸がグリセロールとエステル結合したもの。エネルギーとして活用され、
余分は皮下脂肪や肝臓に貯蔵される。
血中では、カイロミクロンやVLDLとして存在し、脂質の運搬や輸送を担う。
・基準値:30~160mg/dl
・高値:
・食事による:高脂肪食、高カロリー食、 アルコール飲酒
・続発性:糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ、
膵炎、アルコール脂肪肝、閉塞性黄疸、薬剤
・低値:
・吸収不良
・悪液質
★CRP(C反応性タンパク)★
・役割:
炎症や組織の崩壊により血液中に早期(3~6時間以内)に増加するタンパク。
疾病が快方に向かえば速やか(24時間以内)に消失する。
・基準値:0.5mg/dl以下
・高値:
・炎症:細菌感染
・組織崩壊:虚血性心疾患、肺梗塞、悪性腫瘍、外傷、手術後、火傷
・膠原病:SLE、RA、皮膚筋炎、強皮症、血管炎
★プロカルシトニン★
・役割:
プロカルシトニンは甲状腺C細胞から産出されるカルシトニンの
前駆タンパクで、通常は血中に分泌されない。
しかし、細菌感染時には全身の臓器で産生されて、血中に分泌される。
細菌感染症時にプロカルシトニン値は上昇し、ウィルス感染症や慢性炎症、
自己免疫疾患、アレルギーでは上昇しない。
・基準値:0.3ng/ml未満
・高値:
・多臓器不全、膵炎、細菌性敗血症、DIC、アスペルギルス、
カンジダ、真菌感染、髄膜炎、肺炎
★ワッセルマン反応(ワ氏検査)★
・役割:梅毒スピロヘータ感染を血清で判断する検査。
感染後4~6週で陽性となる
・基準値:TPHA法
・定性 陰性
・定量 1:80未満
・高値:梅毒感染
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
TOPICS:T-spotとクォンテイフェロン
★結核感染の指標(T-spotとクォンテイフェロン)★
生化学検査ではありませんが、結核検査のT-spotとクォンテイフェロンについて
ご紹介します。
いずれも血液検査で結核感染を診断する検査です。
IGRA(インターフェロン-γ遊離試験)と呼ばれています。

★クォンティフェロン★
・役割:
全血中のリンパ球を、結核菌の特異抗原で刺激し、
血漿中に産生されたインターフェロン-γの濃度を、ELISA法に
より定量する方法。
採血方法に特徴あり。専用採血管に1mlずつ4本採取
(灰色→緑色→黄色→紫色の順に採取)し、採血直後に
5秒あるいは10回混和する必要がある。検体は自動検査が可能。
・判定:
「陽性」0.35以上
「疑陽性」0.1~0.34
「陰性」0.1未満
・陽性:結核疑い
★T-spot★
・役割:
ヘパリン採血した全血6ml使用。
クォンティフェロンと異なり、自動検査ができず、採血からスポット発現までの
連続工程を、人員が行わなくてはならない。
全血から末梢単核球を精製し、これをインターフェロンを付着(固相)させた
プレートに加え、2種の結核菌特異抗原と16時間反応させる。
細胞の痕跡がスポットとして現れるかどうかを見る。
スポットの数を算出し、判定する。
・判定:
「陽性」 1種および2種抗原で6スポット以上
「陰性」 1種および2種抗原で5スポット以下
・陽性:結核疑い
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
4.生化学② 電解質・ホルモン

★生化学②一覧表★






★Na(ナトリウム)★
・役割:
ナトリウムは細胞外液(血漿・組織間液)に存在している。
浸透圧の維持、神経-筋活動の調節、酸塩基平衡や
クロール・カリウムの濃度調整、水分排泄の調整を行う。
食塩の摂取により小腸で吸収され、不要分は尿中へ排泄される。
・基準値:
血液:135~147mEq/L
尿:4~6g/日
・高値:
・水分の喪失:脱水
・食塩過剰摂取
・内分泌疾患:アルドステロン症、クッシング症候群
・低値:
・ナトリウムの喪失:下痢、嘔吐、火傷外傷
・ナトリウムの希釈:心不全、肝硬変、ネフローゼ、
腎不全、アジソン病、甲状腺機能低下症
★CL(クロール)★
・役割:
食塩として摂取したCLは小腸で吸収され、細胞外液(血漿)の
陰イオンの大部分を占める(70%)。細胞内液には存在しない。
酸塩基平衡の調節、血液の浸透圧や動脈圧の維持を行う。
Clは尿中へ排泄される。
・基準値:
血液:98~108mEq/L
尿:10~15g/日
・高値:
・脱水症、腎不全、尿細管障害
・呼吸性アルカローシス
・食塩過剰摂取
・低たんぱく血症
・副腎皮質機能亢進
・低値:
・脱水(下痢、嘔吐による喪失)
・薬剤(利尿剤、副腎皮質ステロイド)
・慢性閉塞性肺疾患
・急性腎不全
・副腎皮質機能低下
★K(カリウム)★
・役割:
カリウムは野菜や果物、肉に含まれ経口的に摂取する。
小腸で吸収された後は、ほとんどが細胞内液に存在する。
細胞内浸透圧の維持、神経-筋活動や酵素反応の調節、酸塩基平衡の
調節、腎機能の調節を行う。90%近くは尿から排泄される。
・基準値:
血液: 3.3~4.8mEq/L
尿: 0.8~1.6g/日
・高値:
・排泄障害:腎不全、アジソン病、尿細管 障害、低アルドステロン症では排泄が
低下し血中K濃度が高くなる。
・アシドーシス:細胞内のカリウムが水素イオンと入替わる、また尿細管でのカリウム排泄
が低下し血中Kが高くなる。
・過剰摂取:輸液や保存血を多量に投 与
・組織からのカリウム放出:溶血、火傷、外傷
・手技:採血時の手技による溶血、長時間の血液放置
・低値:
・カリウムの喪失(下痢、嘔吐)
・アルカローシス:細胞内に血液中からカリウムイオンが移動する。
・カリウムの排泄亢進:薬剤(利尿剤、副腎皮質ホルオン)、
内分泌疾患(アルドステロン症、クッシング症候群)
★Ca(カルシウム)★
・役割:カルシウムの99%はリン酸カルシウムとして骨を形成し.
1%が血中に存在する。血液中の半分は血漿タンパクと結合し、
半分は血液中にイオンとして存在している。
神経-筋の活動を調整する、血液凝固に関与している。
カルシウムの血中濃度は、副甲状腺ホルモン、ビタミンD、カルシトニンに影響を受ける。
血清カルシウムは動脈血のpHに左右され、酸性に傾くとカルシウムはタンパクから
離れ、アルカリに傾くとタンパクと結合。
・基準値:
血液: 8.3~10.2mg/dl
尿: 0.1~0.3g/日
・高値:
・骨破壊:悪性腫瘍の骨転移、多発性骨髄腫、白血病によるカルシウム遊離。
・副甲状腺機能亢進症:副甲状腺ホルモンの分泌促進により、小腸からのカルシウム
吸収促進、骨からの放出、腎臓からのカルシウム再吸収が起こり、高カルシウム血症となる。
・ビタミンD中毒:ビタミンDは、小腸からのカルシウム吸収を促進するため、高カルシウム
血症となる。
・低値:
・副甲状腺機能低下症:副甲状腺ホルモンの分泌低下により、
小腸からの吸収低下、骨からのカルシウム放 出、腎臓からのカルシウム再吸収を
低下させ、低カルシウム血症となる。
・慢性腎不全:腎臓でのカルシウム再吸収が低下する。
・ビタミンD欠乏症:ビタミンDが不足することで、小腸からカルシウムの吸収が少なくなる
・カルシウム摂取不足:1日に800~1000mgの摂取が推奨される。
★Mg(マグネシウム)★
・役割:食物から摂取したマグネシウムは、小腸から10mEqが毎日吸収され、
同量が尿から排泄されている。
骨に60%、細胞外液に1%、残りは筋肉や軟部組織に含まれる。
酵素の活性化、核酸やタンパクの代謝、細胞膜でのNa-K輸送促進、
副甲状腺ホルモン分泌の調節、神経系に作用アセチルコリンの遊離を抑制、などの役割。
・基準値:
血液: 1.3~1.9mEq/L
尿: 2.0~22g/日
・高値:
・腎不全、尿乏症:腎機能が低下するため、マグネシウムの排泄が障害される
・アジソン病:結核や自己免疫、がん、真菌 などにより副腎皮質が障害をうけ
ステロイドの分泌が低下し、マグネシウムの排泄が障害を受ける。
・甲状腺機能低下症:Naと水の再吸収低下し、アンジオテンシンの産生が刺激され
腎血流量が低下するため、マグネシウムの排泄が低下する。
・薬物:マグネシウムの過剰投与、リチウム投与
・低値:
・慢性腎盂腎炎:腎臓の再吸収力が低下し排泄が増加して起きる。
・アルドステロン症:アルドステロンの過剰分泌によりレニンの分泌が抑制され、
マグネシウムの排泄が増加する。
・甲状腺機能亢進症:ナトリウムや水の再吸収が上昇し、アンジオテンシンの
産生が低下し、輸入細動脈が拡張しマグネシウムの排泄が増加する。
・吸収不全:腸切除、飢餓など、マグネシウムの吸収量が減少する。
★P(リン)★
・役割:体内のリンの80%は骨や歯に不溶性カルシウムとして存在している。
10%はタンパク、脂質、糖質と結合している。
10%は高エネルギーリン酸塩として、
カルシウム濃度の調節、エネルギー代謝、酸‐塩基平衡の調節に関与している。
・基準値:
血液:2.5~4.5mg/dl
尿:0.5~2.0g/日
・高値:
・ビタミンD過剰摂取:小腸からのリン吸収や骨吸収が促進され高値となる。
・腎不全:リンの排泄が阻害される。
・甲状腺機能亢進症:尿細管リン再吸収が亢進する。
・低カルシウム血症:リンと反比例する、カルシウムの飽和度が低下して、リンが上昇する。
・低値:
・ビタミンD欠乏(くる病):リン吸収や骨吸収が抑制されて低値となる。
・副甲状腺機能亢進症:副甲状腺ホルモンの分泌が亢進し、尿細管での
リンの再吸収抑制が強く尿への排泄過多により起こる。
・慢性下痢:リンが吸収される前に排泄されてしまう。
★TSH(甲状腺刺激刺激ホルモン)★
・役割:
甲状腺ホルモンは、経口摂取したヨウ素が腸管から吸収され、
甲状腺でチロシンと結合しT3,T4によって調節され、甲状腺の
グロブリンと結合してサイクログロブリンとなり蓄えられている。
成長や基礎代謝を亢進させる。
カルシトニンはC細胞で作られカルシウム代謝を調節する。
・基準値:0.34~3.5μU/ml
・高値:
甲状腺機能低下症、甲状腺全摘後、TSH産生腫瘍、慢性甲状腺炎
・低値:
甲状腺機能低下症、下垂体-視床下部甲状腺機能低下症
★T3(トリヨードサイロニン)★
・役割:蛋白質や水の代謝など物質代謝を促進する
・基準値:80~180ng/dl
・高値:
甲状腺機能亢進症、甲状腺ホルモン不応症、T3甲状腺中毒、TBG増加
※TBG(サイロキシン結合グロブリン)は糖蛋白であり、主に肝で合成される
甲状腺ホルモン輸送蛋白です。
・低値:
甲状腺機能低下症
T3-T4転換抑制
TBG減少
★T4(サイロキシン)★
・役割:蛋白質や水の代謝など物質代謝を促進する。
・基準値:5.0~13.7μg/dl
・高値:甲状腺機能亢進症、亜急性甲状腺炎、甲状腺ホルモン過剰投与
、TBG増加
・低値:甲状腺機能低下症、TBG減少、T4結合阻害
★ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)★
・役割:下垂体前葉から分泌され副腎皮質ホルモンを分泌させるホルモン。
・基準値:9~52pg/ml以下
・高値:
・アジソン病:副腎結核や委縮により慢性に副腎が侵され
糖質ホルモンや電解質ホルモンの分泌不足により無力、倦怠、メ
ラニン色素沈着、食欲不振、悪心、下痢や便秘、低血圧、
低血糖、筋力低下を呈する。
・クッシング症候群:糖質ホルモン分泌が亢進して起こり、
顔や頸部、体の異常な脂肪沈着、無気力、筋力低下、
易怒性、高血圧、骨粗しょう症を呈する。
・ACTH産生腫瘍:腫瘍により副腎皮質ホルモンが過剰に
産生され、高血圧や浮腫を呈する。
・分娩:出血により、下垂体前葉が乏血性壊死となり高値となる。
・その他:発熱、先天性副腎皮質過形成
・低値:
・汎下垂体機能低下症:下垂体の全機能の低下または脱落した場合
・ACTH単独欠損症:ACTHが単独に欠損し、体重減少や食欲不振、
嘔気、疲労感、低血圧を呈する。
・その他:ステロイドホルモン大量投与、副腎腫瘍によるクッシング症候群
★CPR(Cペプチド免疫活性)★
・役割:膵臓のβ細胞でインスリンが生成されるのと同比率で生成される物質。
体内で分解されずに、尿中へ排泄される。
インスリン注射中の患者は、インスリン抗体ができインスリンの測定が困難となる
ため、プロインスリン(インスリンとCペプチドが1:1で結合した物質)の
Cペプチドを調べ、膵臓の内分泌機能を推定する
・基準値:空腹時:0.6~2.8ng/ml
・高値:
・インスリノーマ:膵β細胞の腫瘍
・インスリン自己免疫症候群:インスリンを使用していないのに抗体が産生され、
インスリンが不活化されるためにインスリン分泌が代償的に亢進する。
・先端肥大症:下垂体腫瘍による成長ホルモン(インスリンと拮抗する)
の過小分泌により、インスリンが過剰となる。
・クッシング症候群:副腎皮質腫瘍によりコルチゾルが過剰に分泌され、CPR増加
・低値:
・糖尿病:インスリン分泌低下に伴うCPR産生減少。
・副腎機能不全:副腎皮質ホルモンの分泌低下により糖尿病を併発し
CPR産生が減少。
・下垂体機能不全:成長ホルモンの過少分泌によりインスリンの分泌低下が起
き、それに続きCPR産生減少。
★エストロゲン★
・役割:卵巣で分泌されるホルモンで視床下部の周期性の
維持に関わり、子宮内膜の増殖や子宮筋の肥大、
子宮頸管の粘液分泌促進、膣粘膜の維持、乳腺
の発達など成人女性の性器の健康を維持している。
・基準値:
★非妊婦
・卵胞期:10~40μg/日
・排卵期:43~102μg/日
・黄体期:29~95μg/日
・閉経後:15μg/日以下
★妊婦
・妊娠29~32週: 16~32mg/日
・妊娠33~36週: 21~45mg/日
・妊娠37~42週: 25~63mg/日
・高値:
・卵巣腫瘍
・副腎皮質腫瘍
・睾丸腫瘍
・肝機能障害
・低値:
・子宮発育不全
・不妊症
・切迫流産
・子宮内胎児死亡
・重症妊娠中毒症
・無脳児妊娠
★プロゲステロン★
・役割:黄体ホルモンで、受精卵の着床に至適な内膜環境を作る。
妊娠した子宮筋の収縮を抑制して妊娠を維持する。
体温上昇作用があるため、黄体期に基礎体温が上昇する。
視床下部からのGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の刺激を受け、
下垂LH(黄体化ホルモン)が分泌される。排卵後の黄体がLHの刺激を
受けてプロゲステロンを分泌する。
プロゲステロンはLHとGnRH中のLH促進因子を抑制する働きがある。
・基準値:
・妊娠~6週: 9.8~32.2ng/ml
・妊娠7~10週: 9.8~37.4ng/ml
・妊娠11~20週:17.4~66.0ng/ml
・妊娠21~30週:31.9~166ng/ml
・妊娠31~40週:57.6~223ng/ml
・高値:
・妊娠
・胞状奇胎
・先天性副腎過形成
・副腎男性化腫瘍
・クッシング症候群
・低値:
・無月経
・妊娠中毒症
・絨毛上皮腫
★LH(黄体形成ホルモン)★
・役割:
下垂体前葉から分泌される。FSHとともに成熟した
卵胞に作用し、排卵を起こさせ、黄体の形成を促す。
男性では睾丸に作用し、男性ホルモンの分泌を促す。
・基準値:
【女性】
・卵胞期:1.8~7.6mIU/ml
・排卵期:5.6~34.9mIU/ml
・黄体期:1.0~7.8mIU/ml
・閉経期:8.7~38.0mIU/ml
【男性】
1.8~5.2mIU/ml
・高値:
・卵巣性無月経
・クラインフェルター
・ターナー症候群
・去勢
・低値:
・黄体機能不全
・無排卵周期症
★FSH(卵胞刺激ホルモン)★
・役割:
下垂体より分泌される性腺刺激ホルモンで、卵胞を刺激し
エストロゲンの生産を促し、卵胞ホルモンの血中濃度が高まる
と分泌が抑制され黄体形成ホルモンの分泌に移行し
LHと協同して排卵、黄体形成を促し、性周期を調整している。
男性では睾丸の発達と精子形成を促す。
・基準値:
【女性】
・卵胞期:5.2~14.4mIU/ml
・排卵期:5.6~14.8mIU/ml
・黄体期:2.0~8.4mIU/ml
・閉経期:26.2~113.0mIU/ml
【男性】
2.9~8.2mIU/ml
・高値:
・ターナー症候群
・クラインフェルター症候群
・睾丸女性化症
・多嚢胞性卵巣症候群
・卵巣性無排卵症
・低値:
・汎下垂体機能低下症
・シーハン症候群
・神経性食思不振症
・下垂体腫瘍
・カールマン症候群
★PRL(血清プロラクチン)★
・役割:
下垂体前葉から分泌され、乳腺を刺激し、
乳汁分泌を促進するホルモンで妊娠期間中は胎盤から
分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロ
ゲステロン)の協同作用により乳汁分泌を調整している。
・基準値:
男性:1.5~8.7ng/ml
女性:1.4~14.6ng/ml
・高値:
・キアリフロンメル症候群
・プロラクチン産生腫瘍
・甲状腺機能低下症
・下垂体腫瘍
・中枢神経作動薬(ドグマチール、レセルピン、 クロルプロマジンなど)の副作用
・低値:
・下垂体機能低下症
・甲状腺機能亢進症
・シーハン症候群
★ADH(抗利尿ホルモン)★
・役割:
視床下部で合成され、下垂体後葉に運ばれ、
血管周囲の神経末端に蓄えられる。
細胞外液の浸透圧上昇や脱水、出血、
薬剤(バルビツレート、アセチルコリン、ニコチンなど)により
血中に放出され、腎臓の集合管細胞に働き、
水の透過性を高め、再吸収を促進する。
・基準値:0.3~3.5pg/ml
・高値:
・ADH分泌過剰症候群
・アジソン病
・腎性尿崩症
・血圧低下
・出血
・脱水症
・低値:
・尿崩症:ADH欠如により腎臓の集合管での水分再吸収が障害を
受けて起きる
・水分過剰摂取
★CA(カテコールアミン)★
・役割:
ドパミンやノルアドレナリンは脳や交感神経に、アドレナリンは副腎髄質に存在する
低血糖、寒冷、低酸素、交感神経緊張などの刺激がコリン作動性節前繊維の
活動を高めて副腎髄質より分泌される。心拍出量の増加、末梢血管抵抗
の増大または減少、血圧上昇、血糖増大、熱産生増大、気管支拡張、腸
弛緩、散瞳、皮膚立毛作用がある。
・基準値:
【血液】
アドレナリン: 0.1ng/ml以下
ノルアドレナリン: 0.05~0.4ng/ml
ドパミン: 0.2ng/ml以下
【尿】
アドレナリン: 3~15μg/日
ノルアドレナリン: 26~120μg/日
ドパミン: 190~740μg/日
・高値:
・褐色細胞腫
・交感神経芽細胞腫
・うっ血性心不全
・心筋梗塞
・本態性高血圧症
・慢性腎不全
・甲状腺機能低下症
・糖尿病
・ストレス
・麻酔
・低値:
・起立性低血圧
・甲状腺機能低下症
・アジソン病
★IRG(免疫活性グルカゴン)★
・役割:
膵臓のα細胞より分泌され、肝臓のグリコーゲン分解を
促進し、血糖値を上昇させる働きを持つ。
血糖値が上昇するとグルカゴンの分泌は抑制され、
血糖値が低くなると分泌が促進される。
・基準値:
空腹時:40~180pg/ml
・高値:
・糖尿病
・グルカゴノーマ
・急性膵炎
・長期絶食
・運動:筋肉のグリコーゲン消費による血糖の低下→グルカゴン分泌
・腎不全:腎臓での糖の取り込みが低下→血糖低下→グルカゴン分泌
・肝硬変
・感染
・高脂血症:脂肪細胞での糖の取り込み増加、脂肪酸の合成低下
→血糖低下→グルカゴン分泌
・低値:
・膵臓摘出
・慢性膵炎
・下垂体機能低下症
・原発性グルカゴン欠乏症
★IRI(免疫活性インスリン)★
・役割:
糖が腸で吸収されると、膵臓のランゲルハンス(β細胞)から分泌される。
肝臓でのグリコーゲン生成、筋肉細胞での糖の取り込みとグリコーゲン生成、
脂肪細胞での糖の取り込みと脂肪酸の合成、トリグリセリドの合成、脳や腎
での糖の取り込みを促進し、血中のブドウ糖を消費させ、血糖を低下
させる役割がある。
・基準値: 17μU/ml以下
・高値:
・分泌亢進:
インスリノーマ、クッシング症候群、ステロイド投与
肥満、肝臓疾患、末端肥大症
・代謝の低下:異常インスリン血症
・低値:
・β細胞の破壊:
インスリン依存性糖尿病、膵炎
・インスリン分泌阻害:
高血糖、副腎機能不全(原発性アルドステロン症)
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
5.生化学② 腫瘍マーカー

★腫瘍マーカー一覧表★




★AFP★
・役割:
アルブミンに近い分子量を持つ糖タンパクで、胎児の肝臓や肝細胞癌細胞に
よって産生される。成人では産生が低下するが、急性肝炎、慢性肝炎、
肝硬変、肝細胞癌、乳児肺炎、肝芽腫では産生増加する。
★肝臓に特異的
★胃、膵臓にも
・基準値:20ng/ml以下
・高値:
・急性肝炎
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞癌
・乳児肺炎
・肝芽腫
★PIVKA‐Ⅱ★
・役割:
プロトロンビンの異性体で、ビタミンK欠乏時に肝細胞と肝臓癌で産生される。
★肝臓に特異的
・基準値:0.1AU/ml以下
・高値:・肝細胞癌
★CA19-9★
・役割:
糖鎖抗原をいい、膵管、胆管、消化管、気管支の腺癌で産生される。
★肝臓に特異的★胃にも
・基準値:37IU/ml以下
・高値:
・直腸癌
・結腸癌
・膵臓癌
・胆嚢癌
・胆管癌
・胃癌
★SLX★
・役割:
腺癌細胞で産生される。
★膵臓、肺、卵巣に特異的
・基準値:38U/ml以下
・高値:
・肺腺癌
・膵臓癌
・卵巣癌
・胃癌
・肝臓癌
・胆嚢癌
・子宮癌
★NSE★
・役割:神経特異エステラーゼ
★肺に特異的
・基準値:10ng/ml以下
・高値:
・肺癌
・神経芽細胞腫
・グルカゴノーマ
・インスリノーマ
・大腸癌
★SCC★
・役割:子宮頸部、扁平上皮で産生される
★肺と子宮に特異的
・基準値:2ng/ml以下
・高値:
・子宮頸部癌
・肺癌
・食道癌
・卵巣癌
★CA-125★
・役割:
卵巣漿液性嚢胞腺癌の腹水培養(OVCA43)の抗原に対する抗体
★卵巣に特異的
・基準値:35U/ml以下
・高値:
・卵巣癌
・膵臓癌
・肺癌
・結腸癌
・乳癌
・妊娠初期
★CA15-3★
・役割:乳癌に特異的
・基準値:20U/ml以下
・高値:
・乳癌
・卵巣癌
・子宮癌
★PAP★
・役割:前立腺で産生される酸性フォスファターゼ
★前立腺に特異的
・基準値:3ng/ml以下
・高値:
・前立腺癌
・前立腺肥大
★γ-Sm★
・役割:前立腺で産生されるタンパク
★前立腺に特異的
・基準値:4ng/ml以下
・高値:前立腺癌
★CEA★
・役割:
癌胎児性タンパク抗原で、消化器系癌で産生される。
良性でも、炎症などで高値となる。
・基準値:2.5ng/ml以下
・高値:
《悪性》
・大腸癌
・甲状腺髄様癌
・胃癌
・肺癌
・乳癌
・胆道癌
・膵癌
・腎細胞癌
・子宮内膜癌
・卵巣癌
《良性》
・肺炎
・気管支炎
・結核
・潰瘍性大腸炎
・慢性肝炎
・慢性膵炎
・胆石症
・糖尿病
・腎不全
・ヘビースモーカー
★TPA★
・役割:
体内の鉄イオンの解毒と貯蔵に関わる鉄結合タンパクで、各種癌や
炎症時に産生される
・基準値:200ng/ml以下
・高値:
・腫瘍
・炎症
★β-2ミクログロブリン★
・役割:
ミクログロブリンは低分子タンパクで、腎糸球体を通過でき、
尿細管で再吸収される。
尿細管障害があれば尿細管で再吸収されないまま尿中に排泄される
腎糸球体障害があれば、ろ過されないため、血清中に増加する
・基準値:2.5μg/ml以下
・高値:
・慢性腎不全
・急性腎不全
・多発性骨髄腫
・肝疾患
・悪性腫瘍
★IAP★
・役割:
免疫抑制産生タンパクで、癌などの免疫低下時に増加する原因物質。
癌患者の全身状態を反映する。
・基準値:500μg/ml以下
・高値:
・食道癌
・肺癌
・膀胱癌
・胆管癌
・胃癌
・膵臓癌
・大腸癌
・白血病
・炎症
・自己免疫性疾患
★PSA★
・役割:
前立腺癌や前立腺肥大で高値となる関連抗原
・基準値:3.0ng/ml以下
・高値:
・前立腺癌
・前立腺肥大
★BFP★
・役割:塩基性胎児タンパク抗原
・基準値:75μg/ml以下
・高値:
・卵巣癌
・前立腺癌
・肝臓癌
・膵臓癌
・睾丸腫瘍
・肝炎
以下の6項目で紹介します。項目が多いので、リンクを張っています。
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
6.血液ガス検査
★血液ガス検査一覧表★

血液ガス検体には空気が入らないようにする必要があります(空気中の酸素や二酸化炭素が検査結果に影響してしまうから)
血液ガス検体を採取したら、常温のまますぐに検査室にもっていきましょう。
それはプラスティック容器は気体を透過して検査値に影響を与える可能性があるからです。
1)検査項目
★PaO2★
・役割:動脈血中の酸素分圧
・基準値:80~100mmHg
・低値:70mmHg以下で低酸素血症
★PaCO2★
・役割:動脈血中の二酸化炭素分圧
・基準値:35~45mmHg
・高値:高炭酸ガス血症
・低値:低炭酸ガス血症
★pH★
・役割:血液の水素イオン濃度
・基準値:7.35~7.45
・高値:アルカローシス
・低値:アシドーシス
★O2CT★
・役割:動脈血中の酸素含有量
(血漿に溶けている酸素と、Hbと結合している酸素量)
・基準値:18~22
・低値:低酸素、低換気
★SaO2★
・役割:
ヘモグロビンと結合できる酸素量に対する酸素飽和度(%)
・基準値:94%以上
・低値:
低酸素血症
※Sao2=95%は、PaO2=80mmHgに相当する
★HCO3-★
・役割:
重炭酸イオン
代謝性アルカローシスかアシドーシスで異常値を示す
HCO3-に異常がない場合は呼吸性
・基準値:24~26mEq/L
・高値:代謝性アルカローシス
・低値:代謝性アシドーシス
★BE★
・役割:
塩基余剰
体温37℃でPaCO=40mmHgのとき1Lの血液のpHを7.40に戻す
ために必要な酸または塩基の量を表す。アシドーシスが呼吸性か代謝性か
を見分ける指標となる
・基準値:-2~+2
・高値:代謝性アルカローシス
・低値:代謝性アシドーシス
2)血液ガス分析における異常値の原因疾患
★呼吸中枢がダメージを受ける脳障害:
脳梗塞、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血
★呼吸に必要な筋力の障害:
重症筋無力症、筋ジストロフィー
★ガスをスムーズに交換する気道や肺の障害:
肺炎、肺線維症、肺気腫、気管支喘息、肺結核、肺癌、気道異物、肥満
★ガスの運搬にかかわる障害:
心血管系の障害(心不全、ファロー四徴症など)、貧血
★ガスを効率よく使用するための体温調節障害:
炎症
3)酸塩基平衡異常
①代謝性アシドーシス
糖尿病によるケトン体産生や乳酸増加
腎臓からの水素イオン排泄障害
下痢による重炭酸イオン喪失
※症状ではクスマウル呼吸、失見当識、不穏が出現する
②代謝性アルカローシス
嘔吐や胃液吸引による塩酸の喪失
利尿剤やアルドステロン症
(低カリウムによる腎臓からの水素イオン排泄増加)
※症状では筋力低下、けいれん、麻痺、知覚異常が出現する
③呼吸性アシドーシス(CO2貯留)
・肺でのガス交換障害
→肺気腫、肺線維症、急性肺水腫、気胸
・呼吸中枢の機能抑制
→麻酔、睡眠薬
・換気障害
→脳疾患、神経筋疾患
④呼吸性アルカローシス
異常な深呼吸や過呼吸によるCO2の低下
→中枢神経疾患、薬物中毒、ヒステリー
酸素の消耗
→発熱、肝疾患
酸素の取り込み障害
→うっ血性心不全、肺塞栓
その他
→酸素の投与量不足
最期までお疲れさまでした。おさらいした方は下の
リンクから見たい項目へスキップしてください。
・血液一般検査(血算)リンク←ここを押す
・凝固・線溶系検査 リンク←ここを押す
・生化学検査①(肝臓、腎臓、酵素、タンパク、炎症) リンク←ここを押す
・生化学検査②(電解質、ホルモン) リンク←ここを押す
・生化学検査③(腫瘍マーカー) リンク←ここを押す
・血液ガス検査 リンク←ここを押す
最後までご覧いただきありがとうございます。
ご意見、ご感想、提案などございましたら、下のコメント欄よりお寄せください。


[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど 細菌・ウィルス検査 […]
[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど 細菌・ウィルス検査 尿検査 […]
[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど 細菌・ウィルス検査 尿検査 […]
[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど 細菌・ウィルス検査 尿検査 […]
[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど 細菌・ウィルス検査 尿検査 […]
[…] 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど […]
[…] ガス交換障害(看護計画) 血液検査:生化学・血算・血液ガスなど […]