安楽障害(看護計画)
目次
安楽障害(看護計画)
いつもご覧頂きありがとうございます。
今回は安楽障害について考えていきます。
この安楽障害の「安楽」とはなんでしょうか?
この安楽障害は多くの場合で適応になると思います。
まず、安楽の定義について考えていきたいと思います。
1.安楽とは
1)安楽の定義
Wikipediaでは「安楽(あんらく)は、心身の苦痛や生活の苦労がないこと。」と紹介されています。
大辞泉では「心身の苦痛や生活の苦労がなく、楽々としていること。またその様」と紹介されています。
ということは、心身の苦痛や苦労がある場合が安楽障害ということになります。
ちなみに、対義語辞典では、安楽の対義語を「苦痛」「窮屈」と紹介しています。
2)苦痛とは
Wikipediaによると以下のように紹介されている(少し省略したりして変えています)。
「苦痛(※suffering or pain)とは、良くない心境や物質的な原因による不快さに基づく基礎的な概念である。
第一に身体的過程か精神的過程のいずれに結びついているかにより「身体的苦痛」あるいは「精神的苦痛」と呼ばれる。
身体的苦痛の例には、痛み・吐き気・呼吸困難・かゆみなどがある。
精神的苦痛の例は不安・嘆き・憎しみ・退屈などがある。」
※sufferingは苦しむこと
ということで、ここでは
身体的苦痛と精神的苦痛によって安楽が障害されているケースに対して介入していきます。
痛みに関しては、「急性疼痛」と「慢性疼痛」という看護診断がそれぞれありますので、ここでは省略していきます。
また、痛みには「全人的苦痛」という考え方があり、それは「身体的苦痛」「精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」があります。
ですから、疼痛の中でもこの「安楽障害」に重複する部分があります。
ここでは疼痛以外に介入していきますので、疼痛に関しては下の看護計画の記事を参照して下さい。
2.安楽障害の適応
①身体的苦痛がある
・疼痛
・吐き気
・呼吸困難
・かゆみ
・倦怠感
・安静の指示(床上安静、免荷)
・絶飲食
②精神的苦痛がある
・不安
・嘆き
・憎しみ怒り
・退屈
・恐怖
・トラウマ
③①②により生活に影響が出ている
・夜間不眠(昼夜逆転)
・集中力低下
・食欲不振
・人間関係悪化
④安楽を阻害する因子がある
・抑制
・侵襲的治療
・面会制限
・療養環境の変化、落ち着かない療養環境
3.目標
目標は患者さんを主語にして立てます。
・安楽を阻害する因子を排除できる(不快・苦痛な症状を緩和する)。
・安楽の因子を強化できる(リラクゼーション、気分転換を取り入れる)。
・ADLの維持ができる。
疼痛に関する内容は下の記事を参照してください。
4.看護計画
1)観察計画《OP》
①個人に関係する因子
・年齢
・認知力:認知力低下(原因を取り除くための対処法を理解できるか)
・バイタルサイン
・安静度(床上安静)
・現疾患、併存疾患
・治療計画、治療内容
・管類の挿入
・持続点滴
・侵襲的治療
・抗がん剤治療、放射線治療
・ICUなど落ち着かない環境
・無菌室:様々な制限
・母子の分離
・面会制限
・治療での作用・副作用による不快症状
・昼夜逆転
・日中の活動
・睡眠障害(中途覚醒、入眠障害、早朝覚醒)、睡眠時間、熟眠感
・睡眠環境
・吐き気
・嘔気の頻度
・嘔吐を伴う
・腹痛、腹部膨満などの症状を伴う
・便秘
・消化器系の疾患
・中枢神経系の疾患
・食欲減退
・脱水の兆候(検査データ、ツルゴール反応)
・呼吸困難
・呼吸器系、循環器系の疾患
・夜間の呼吸困難、ピンク色の泡沫痰
・SPO2値、チアノーゼ
・かゆみ
・掻痒の部位、範囲、持続時間
・かゆみ止めの内服や軟膏の使用状況
・掻爬してしまう(無意識、意識的)
・皮膚状態
・倦怠感
・倦怠感の日内変動、持続期間
・倦怠感の程度:動けない、ADLへの影響
・安静の指示(床上安静、免荷)
・活気の有無
・ストレスに感じていること
・絶飲食
・絶食期間
・空腹の訴え
・苛立ち、暴力的態度、暴言
・夜間不眠
・不眠
・頻尿、夜間頻尿
・利尿剤の使用
・精神状態の不安定
・不安
・怒り
・うつ
・不眠
②個人以外の因子
・ベッドの環境
・ナースステーションからの距離
・モニターアラーム、騒音
・光、採光(夜でも明るい)
・身体抑制
・物理的抑制:抑制衣、四肢抑制、ミトン、4点柵
・薬剤による抑制、鎮静
・皮膚障害、挫傷:範囲・程度・処置
2)行動計画《TP》
・環境整備をする。
・静かで落ち着いた環境を作る。
・昼夜のリズムがつくように朝は日光を取り入れ、夜はできるだけ暗くする。
・整理整頓をする。
・管類の整理をする。
・排泄環境を整える。
(頻尿などの症状に対応)
・嘔気嘔吐に対し、医師の指示に従ってケアをする。
・嘔吐物は適切に処理する。
・嘔気で食事が摂取できない場合には医師に報告する。
・下痢に対し、医師の指示に従ってケアをする。
・水分摂取介助をする。
・点滴の管理をする。
・臀部、陰部の皮膚トラブルが起こらないように、清潔に管理する。
・掻痒に対し、医師の指示に従ってケアをする。
・かきむしってしまう場合には冷やす。
・軟膏を塗布する。
・内服薬の介助をする。
・皮膚のケアをする(浴後の保湿、毎日の保湿など)。
・爪を定期的に切るようにする。
・不眠に対し、睡眠環境を整える
・日中の活動量を増加する。
・眠前薬の投与を医師の指示通りに行う。また、その記録をし、定期的に評価する。
・精神的不安定に対し、リラクゼーションや気分転換を行う。
・足浴をする。
・マッサージをする。(禁忌である場合があるため、必ず医師に相談してから行う)
・散歩、売店への付き添いをする。
・傾聴する。怒りの吐露、ストレスに感じていること、不安、悩んでいることなど。
・面会の調整をする。
・ベッドにお気に入りの物を置く。
・ナースコールを手の届くところに置いておく。
・静かにしている、活気がない患者に対し、見守りや声かけをする。
・呼吸困難に対し、医師の指示に従って呼吸困難を緩和する。
・酸素療法が安全に行えるように整える。
・痰がある場合には、排痰ケアを行う。
・呼吸状態に合わせて、ケアをする。
・動くときにはSPO2を測りながらケアをする。
・息切れが起こる前に休憩する。
・抑制をしている場合には、定期的に皮膚トラブルや挫傷が起こっていないか確認する。
・抑制の妥当性を定期的に検討する。
3)教育計画《EP》
・不快な症状があればすぐにナースコールを押すように説明する。
・痛み、かゆみ、嘔気嘔吐、下痢、呼吸困難
・管類の管理の方法を説明する。
・掻痒がある場合には、かきむしらない(掻くと余計に痒くなる)と説明する。
・自宅に帰ってからの服薬管理について説明する。
・不快症状に対しての頓用薬の使用法について説明する。
・昼夜のリズムをつけるために、寝る前のスマホやテレビを控え、日中は起きていることが重要と説明する。
・リラクゼーションや気分転換に何がしたいか一緒に考える。
・怒り、ストレスに感じていること、不安、悩んでいることなど、話してもいいと説明する(無理強いはしない)。
・酸素療法の必要性・注意点を説明する。
・管の管理法、火気厳禁、ボンベの使用法、ボンベが少なくなってきた時の対処
・痰の出し方を説明する。
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