看護計画 領域7 役割/関係

NANDA-00223 看護計画 非効果的パートナーシップ

NANDA-00223 看護計画 非効果的パートナーシップ
領域7 役割関係
人々または人々のグループ間の肯定的および否定的なつながりやつきあい、またそうしたつながりが示される手段
類3 役割遂行  社会的に期待される行動パターンにおける機能の質

00223 非効果的パートナーシップ


看護診断:非効果的パートナーシップ
定義:相補的なパートナーシップのパターンが、互いのニーズを満たすには不十分な状態

いつもご覧いただきありがとうございます。
今回はパートナーシップについて取り上げていきます。
日本ではパートナーというと夫婦のことがイメージされると思いますが、日本と海外ではパートナーについて考えが異なります。
日本では同性婚を認めていませんが、海外では認めている国もあります。
まずは「パートナーシップ」について考えていきましょう。

1.パートナーシップ


1)日本におけるパートナーシップ制度とは


日本LGBTサポート協会さんHPより一部引用させていただいています。
https://lgbt-japan.com/partnership/
日本では同性同士の結婚は、法律上認められていません。しかし、地方自治体によっては婚姻と同等の関係を承認する制度があります。
現在では200以上の自治体でパートナーシップ制度が導入されています。
ただ自治体ごとにルールや承認範囲が異なり、証明書としての効力に差があるのが現状です。

①パートナーシップ制度でできること
・公営住宅に家族として入居できる。
・生命保険の受取人として指定できる。
・家族割が受けられる。
・クレジットカードで家族カードが作れる。


②パートナーシップ制度でできないこと
・配偶者控除は受けられない
・子供が生まれても親権を持つことができない
・パートナーがなくなったとき、遺族給付金を受給できない
・パートナーが外国籍の場合、在留資格が得られない

2)海外のパートナーシップ制度(事実婚制度)

リザライマガジンさんから一部引用させていただいています。
https://www.resally.jp/magazine/the-difference-between-same-sex-marriage-and-factual-marriage-abroad/
海外では、日本よりも法律整備がされ、パートナーシップ制度でも、多くの権利が認められているようです。
海外では、パートナーシップ制度とは別に、「同性婚」制度のある国もあり、こちらは婚姻と同じ扱いです。

2.非効果的パートナーシップの適応


この診断では「パートナー間の関係が悪化し、パートナーシップ(協力関係)が崩壊している」状態を取り扱っていきます。

まだパートナーシップが崩壊する前の段階の場合には「非効果的パートナーシップリスク状態」を立案してください。


・パートナーとの信頼関係にかかるもの
 ・パートナーとのコミュニケーションに不満がある
 ・パートナーとの身体的ニーズに不満がある
 ・パートナーとの情報共有に不満がある
 ・パートナー間で相互尊重が十分でない
 ・非現実的な期待をする
・パートナーとの協力関係によるもの(仕事量不均衡や自主性)
 ・パートナーとの協力体制が不均衡である
 ・パートナーの自主性の不均衡がある
・時間とともに出現するもの、予想外のもの
 ・パートナーの機能障害への理解が得られない(認知症など)
 ・パートナーを支援者とみなせない、みなしていない
 ・家族ライフサイクルにおける発達目標の未達成、発達課題の未達成
・個人的な要因
 ・コミュニケーションスキルの不足
 ・物質乱用(薬物、アルコールなど)
 ・環境変化などによるストレス、ストレッサー
 ・家庭内暴力の被害歴、加害歴がある
・転機となるもの
 ・パートナーが収監される
 ・発達段階での危機  

以下の看護診断も参考にしてみてください

家族機能中断(以前は家族機能破綻)
この診断は今回の「非効果的パートナーシップ」とかなり近い内容です。
ただし、こちらは「家族」というもう少し大きなまとまりが単位となっています。


介護者役割緊張
介護や看護が必要な状態になり、これまでとは役割が大きく異なってしまった場合


非効果的コーピング
ストレスに対して有効なコーピングができないで、薬物依存などに陥ってしまう場合

慢性混乱
認知症の中核症状、周辺症状により、パートナーとの関係が悪化したり、生活に支障をきたしてしまう場合


3.目標設定

1)NOC/リンケージによる評価の指標

・介護者と患者との関係
・ペアレンティング達成
・介護者の役割持続力
・個人のレジリエンス
・社会的支援
・物質依存症の影響、物質中毒からの離脱症状の重症度

2)目標

目標は、患者さんを「主語」にします。
「看護者が○○できる」ではなく、
「患者さんが○○できるようになる」といった具合です。

・パートナーがお互いを尊重できる。
・依存物質から脱却できる。
・それぞれの役割を認識できる。
・必要な福祉サービスを受けながら生活できる。

4.看護計画


1)観察計画(OP)


★これらについて情報収集をします。要因の発生した時期・持続期間・変化の程度・誰に・誰が・どこで・どのくらいの影響か、を把握し、どこからアプローチするかを考えます。
・役割の変化
・身体的ニーズを満たせない(ED・浮気など)
・収入の減少
 ・退職
 ・年金
・出費の増加
 ・医療費(入院、通院、治療費)
 ・自宅改装費
 ・進学、入学、別居(学生マンションに入るなど)
・家族の健康問題
・発病(身体、精神)
・病気の増悪、コントロール不良
 ・医療的ケアや在宅ケア(点滴、経管栄養、吸引、人工呼吸器、腹膜透析、ストマ管理、自己導尿など)
 ・ADL低下
 ・性的機能の喪失
 ・家族の介護、看護
・パートナーとの距離(収監、入院、施設への入所、出張、他界)
・ペットの迎え入れ、喪失
・考え方の変化
 ・別居・環境変化
 ・リストラ
 ・配置換え
 ・近所との関係
 ・町内会、子供会、PTAへの参加
・人間関係
 ・職場
 ・学校
 ・先生、上司
・家の考え方
 ・家父長制
 ・家父長制による特定の家族への負担(家のことは母が全部やっています)
 ・近所づきあいのありかた
 ・家のあり方(本家だから、分家への手配がある、、などという特有の役割)
 ・宗教による教えの徹底や子供への強要
・コーピングの問題
 ・暴力
 ・薬物、アルコールなどの依存
・家族構成員の収監

2)行動計画(TP)

・情報の聴取、感情の表出のために落ち着いた場所で傾聴をする。
 アドバイスは控え、事実のみを共感的姿勢で聴取する。聴取内容は、メモを取り記録する。
 両方から話を傾聴し、事実を把握する。
(一方だけの聴取では、とらえ方に違いがある場合や、思い込みや過大解釈をしている場合がある。そうした傾向をとらえ、正確に事実を把握していく)
・収集した情報を主治医やソーシャルワーカーなどと共有し、対策を考える。
・不足しているセルフケアに対して、補完的なケアを行う。
・疲弊している場合には、ゆっくり休養できる療養環境を整える。
・障害、慢性疾患となったために、自身での医療的ケアが必要となった場合(ストマ、酸素管理、自己導尿、自己血糖測定、インスリン投与、低血糖対処、エピペンの所持など)、技術習得のための指導を行う。
 ※できたらパンフレットなどを準備してお話し・実演する。
・障害、慢性疾患となったために、患者自身での医療的ケアが必要となった場合(ストマ、酸素管理、自己導尿、自己血糖測定、インスリン投与、低血糖対処、エピペンの所持など)、パートナーにも同様に技術習得のための指導を行う。
・自宅で家族が介護をする場合、介護技術習得のための指導を行う。
・ご自宅で家族が医療的ケア(吸引、栄養、人工呼吸器管理)を行う場合、技術習得のための指導を行う。
・喪失(家族やペット)の悲嘆を受け止め、見守る。


3)教育計画(EP)

・依存物質を持ち込まないように説明する。
・両者の主張を傾聴し、情報を整理して、相互理解できるよう話し合いの場を設ける。
・フォーマル・インフォーマルな支援が受けられるようにソーシャルワーカーに相談してもらう。
 訪問サービス、福祉用具など市町村によって手続きが異なる場合がある。
・慢性疾患・障害・麻痺の生活上の注意について、本人と家族に説明する。
・定期診察日には受診するように説明する。・自宅で家族が介護をする場合、在宅での実現可能な介護方法を話し合う。
・家族で分担したほうが望ましい場合、家族で話し合いの場を設け、状況の説明と今後の予測される経過、必要なケアの量について説明を行う。そのうえで、誰が何を協力するかを話し合ってもらう。
・家族の構成員の頑張りを認め、それぞれが頑張りを共有する。
・慢性疾患の場合の、増悪時の対応(発作、低血糖、浮腫増強など)について指導する。膜透析業者な・・依存物質からの脱却を試みる場合には、家族会・自助グループなどの情報提供をする。
・ALSなど難病の場合にも家族会があるため、情報提供をする。

参照文献

T.ヘザー・ハードマン 上鶴重美. (2016). NANDA-I 看護診断 定義と分類 2015-2017. 医学書院.
T.ヘザー・ハードマン、上鶴重美、カミラ・タカオ・ロペス. (2021年7月1日). NANDA-I看護診断ー定義と分類 2021-2023 原書第12版. 株式会社 医学書院.
リンダJ.カルペニート. (2014.1.1). 看護診断ハンドブック. 株式会社 医学書院.
岡庭豊. (2012). 看護師・看護学生のためのレビューブック. 株式会社 メディックメデイア.
岡庭豊. (2019.3). イヤーノート2020. 株式会社メディックメディア.
黒田裕子(訳). (2015). 看護成果分類(NOC)原著第5版 成果測定のための指標・測定尺度. エルゼビア・ジャパン株式会社.

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