看護計画 領域11 安全/防御

身体損傷リスク状態 看護計画

類2 身体損傷  身体への危害または傷害

身体損傷リスク状態

看護診断:身体損傷リスク状態

定義:個人の適応資源と、周囲の環境条件との相互作用の結果、負傷しやすく、健康を損なうおそれのある状態

※当ページ「身体損傷リスク状態」では、不慮の事故の予防、虐待予防に焦点を当てていきます

※「身体損傷リスク状態」では、転倒転落リスクと感染リスクの内容も含んでいます。転倒転落に関しては看護診断「転倒転落リスク状態」、感染に対しては「感染リスク状態」で扱っていますので、そちらを参照して下さい。

 ※転倒転落リスク状態:

※感染リスク状態

 

1.看護計画「身体損傷リスク状態」対象

・認知機能の低下

・長谷川式(HDS-R)19点以下で認知症の可能性 30点満点

・MMSE 21点以下で認知症の可能性(30~27で正常、26~22が経度認知症疑い、21以下で認

 知症疑い)30点満点。MMSEは国際基準  

・精神の不安定(せん妄、不穏状態、幻覚、妄想、酩酊)による自傷行為の可能性

・転倒転落アセスメントスコアの危険度Ⅱ異常(店頭転落アセスメントスコアは✩1)

・薬物のによる(向精神薬、てんかん薬、降圧薬、睡眠薬、抗うつ薬など)意識レベルの変容

・飲酒による意識レベルの変容

・家庭内暴力

・児童虐待

・高齢者虐待

・一時的なせん妄(術後せん妄、ICU症候群)

・環境の変化(部屋移動や入院)

・医療留置物による違和感:自己抜去による身体損傷リスク

・セルフケア不足(爪を切らない)、武器の所持(うつ病の急性期・回復期や不穏時にはベルトでも自傷行為につながる)による自傷行為の可能性

・感染源に暴露しやすい状態:院内感染、予防接種の未接種、自己免疫性疾患、ステロイド使用、皮膚破綻、褥瘡、熱傷、血小板減少症

・感覚異常により外傷に気づきにくい(悪化させやすい)状態:糖尿病、脊髄損傷

・免疫力の低下による感染リスク

・失神による転倒をきたす恐れのある状態(転倒して外傷の危険):低酸素、脳血管疾患、不整脈、冠動脈疾患、貧血

・転倒による骨折ハイリスク:ピルの常用、骨粗鬆症

・有毒化学物質への暴露(カドミウム、水銀、チオアセトン、青酸カリ、ダイオキシンなど)

・抗癌剤治療による易感染状態:白血球減少、血小板減少

・ADLに見合わない住環境(転倒転落しやすい状況):段差、手すりのない廊下、散らかった部屋など

・予防接種未接種

・易感染状態

 

1 転倒転落アセスメントスコアシート

 スコアによって危険度がⅠ~Ⅲに分類される。Ⅱ以上で転倒リスクが高いと判断される。

 危険度Ⅰ:1~9点(転倒転落の可能性がある

 危険度Ⅱ:10~19点(転倒転落を起こしやすい)

 危険度Ⅲ:転倒転落をよく起こす

 患者の状態は変化していくので、入院時から定期的に評価していく必要がある。

※日本医師会の転倒転落防止マニュアル参照

https://www.med.or.jp/anzen/manual/pdf/score.pdf

 

2.リンケージによる目標設定(NOCの後半)

※「リンケージ」は「NANDA」「NIC」「NOC」をつなぐ役割があります(リンクは「連結」の意味)。

1)リンケージ上の成果

・身体的損傷の重症度(1913)

 (定義:身体的損傷の徴候や症状の重症度)

・転倒転落の発生頻度(1912)

 (定義:個人が転倒転落した回数)

・安全な家庭環境(1910)

 (定義:家庭において身体的な傷害を引き起こす可能性のある環境要因を最小化するための物理的な環境の整備)

・転倒転落予防行動(1909

 (定義:転倒転落につながる環境に関する危険因子を減らす個人や家族介護者の行動)

・リスクコントロール(1902)

 (定義:修正可能な健康上の脅威を理解して予防し、排除または低減させるための個人の行動)

・リスクの早期発見(1908)

 (定義:個人的な健康への脅威を明らかにするための個人の行動)

・個人の安全行動(1911)

 (定義:意図的でない身体の損傷を防ぐ個人の行動)

・知識:子供(高齢者・障害者も)の身体的安全(1801)

 (定義:1~17歳までの子供を養育するうえでの安全に関する理解の程度)

 

2)目標

・環境整備をし、安全に療養生活を過ごすことが出来る。

・(在宅)溺水、転倒転落、洗濯機などへの閉じ込め、誤薬、誤飲、窒息、徘徊、飛び出しなどのあらゆる事故を予測し、安全に生活できる環境作りを支援する。

・家庭内暴力、虐待が疑われる場合には、警察と児童相談所(高齢者は市の福祉課や地域包括支援センター)、(障害者は市の市町村障害者虐待防止センターや都道府県障害者権利擁護センター)へ相談し、対象者の安全確保を図る。

※当ページ「身体損傷リスク状態」では、不慮の事故の予防、虐待予防に焦点を当てていきます。

※「身体損傷リスク状態」では、転倒転落リスクと感染リスクの内容も包括しています。ですが、転倒転落に関しては看護診断「転倒転落リスク状態」、感染に対しては「感染リスク状態」で扱っていますので、そちらを参照して下さい。

 ※転倒転落リスク状態:転倒転落リスク状態 看護計画 – フローレンスのともしび (florencenotomosibi.com)

 ※感染リスク状態:感染リスク状態 看護計画 – フローレンスのともしび (florencenotomosibi.com)

 

3.看護計画

1》観察計画 OP

・ドレーン、バルンカテーテル、点滴等の身体への挿入物

・意識混濁、せん妄

・点滴などの自己抜去歴

・抑制の使用の有無

・抑制による皮膚トラブル

・誤飲を招く環境(内服薬、ボタン電池、硬貨、タバコ、吸殻など)

・子供でも開けられる冷蔵庫、洗濯機、オーブン、食洗機

・身体のアザ、傷、打撲、骨折、熱傷

・衣服のよごれ、身体の汚れ

・るい痩、低身長などの成長発達遅れ

・発達障害(ことばの発達のおくれ)

・不自然な親の説明「勝手に転んでぶった」

・食べ物への執着心が強い(食べさせてもらっていないかも)

・施錠習慣のない環境

・監督不行き届き(ネグレクト)

・親の精神状態(産後うつ、双子三つ子などの育児負担、不眠、夫への不満、シングルマザーなど)

・親の生育歴(親自身も虐待を受けていた経験がある、、、など)

・チャイルドシート未装着

・自転車のヘルメット未装着

・常時お湯はりのされた浴槽

・薬物乱用

・薬物乱用の場合の交友関係

・家族との関係

・過剰な飲酒(アルコール依存症)

・暴力行為

・凶器の保持

・酸素療法への理解度(酸素の近くで火を使っていないか)

・意識障害、せん妄

・向精神病薬、睡眠導入剤の使用

・ガス、包丁などの適切な使用法

・自動車の運転(認知症疑いの高齢ドライバー)

・認知力低下(長谷川式19点以下、MMSEは21点以下で認知症疑い)

・借金、ギャンブルなどによる人間関係トラブル(ギャンブル依存症)

・幻覚・妄想の症状がある精神疾患(自傷他害の恐れ)

・自暴自棄になるような状況(うつ病など)

・健康上の問題

・仕事上の問題

・自己効力感が低い(自分なんていない方が、、、とか、こうなったら誰か巻き添えにしてやる、、、だとかで自傷他害の恐れ)

・変質者が多く出現する地域、場所(誘拐や強姦が起こりそうな場所)

・つきまとわれている(ストーカーからの傷害事件)

 

2》行動計画 TP

・環境整備を行い、点滴やドレーン等の挿入物が引っ張られないようにする。

・高齢者で点滴などをさわってしまう場合には、包帯などで見えないように工夫しする。

・自己抜去を繰り返す場合は、部屋の移動、抑制などを検討する。

・簡単に開けられる冷蔵庫や洗濯機などには、子供が開けられないようにロックを取り付ける。

・手の届くところに、内服薬、タバコ、硬貨、電池などを置かない。

・手の届くところに、凶器となりうるものを置かない。

・(在宅)目を離したすきに勝手に外に出ないように施錠する。(交通事故予防)

・(在宅)徘徊しないように施錠する。徘徊してしまう場合には、衣服に身元を特定できるものを取り付ける(今はQRコードで身元が特定できるシステムがありますQRコードで身元確認を行っている市町村まとめ | 認知症ねっと (ninchisho.net)

・チャイルドシートの設置

・浴槽に湯が張っている場合は目を離さない、子供や高齢者をひとりで近づけない。

・虐待が疑われる時には通報する。

・虐待をしてしまう親や介助者の精神状態が不安定な場合は、医師へ相談し、精神科などへの橋渡しをする。

・育児負担で疲弊している時には、同じ悩みを抱える(抱えていたことがある)自助グループがあることを紹介する。一人で抱え込まない、悩まない、思いつめないように援助する。(怪しい団体に騙されないように、市の福祉課へまず相談してみる)

・被虐待児が怖がっていたら、安心できるような環境を作る。

・薬物・アルコール・ギャンブル依存がある場合には、自助団体への橋渡しをする。(怪しい団体に騙されないように、市の福祉課へまず相談してみる)

・意識障害、せん妄があるときには、自傷他害行為に至らないように見守りや介助を行う。

・薬剤性のせん妄が疑われる時には医師へ上申する(たぶん中止になる)

・幻覚、妄想があるときには、自傷他害行為に至らないように見守りや介助を行う。

・自己効力感が低い場合には、成功体験を聞き出すなど自信につながるような関わりをする。臨床心理士へ橋渡しをする。

・健康上の問題や、仕事の問題を抱えている場合には、傾聴する。(受容過程を見守る)

・変質者やストーカーにつきまとわれている場合は、警察に相談する。

 

3》教育計画 EP

・点滴などの挿入物を引っ張らないように説明する。

・挿入物があり、トイレに行く際には、電源コード類をまとめ、ドレーンなどが不潔にならないように手順を説明する

・育児の安全な環境についてパンフレットを用いて説明する。(母子手帳の中に書いてあったりします)。

・子供にはヘルメットをかぶる必要性や、火を触ってはいけない理由、交通安全のためのルールなどの安全教育を行う。

・加齢による視力の低下、運動機能の低下、判断力の低下などの各種機能の低下について説明する。

 そのうえで、ご家族と運転が本当に必要かを考え、運転免許証自主返納を考えるきっかけを与える。

・運転免許証を返納したあとの生活について具体的に考える。

・人生いろいろあるから、自暴自棄にならないよう、一人で抱え込まないように、市の福祉課へ相談した後、自助グループに参加することをすすめる。(怪しい団体や宗教などはだめ。)

・怖い思いをしたら、一人で抱え込まないで、信頼できる人に相談する。受診して相談してもいい。

投稿者

florence.no.tomoshibi@gmail.com

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