看護計画 領域11 安全/防御

出血リスク状態 看護計画

類2 身体損傷  身体への危害または傷害

看護診断「出血リスク状態」 00206

看護診断: 出血リスク状態

定義:血液量が減少しやすく、健康を損なうおそれのある状態

  

1.看護診断「出血リスク状態」適応

・出血傾向:

・抗凝固薬使用

・播種性血管内凝固症候群(DIC)

・先天性血液凝固障害(血小板減少症)

・血液透析(HD、HF、CHDF)

・動脈瘤、静脈瘤、大動脈解離

・胃潰瘍

・結核

・悪性腫瘍

(ガンは血流が多く組織の破綻で出血のリスク。ガンから炎症性物質も発生しており、DICを起こす)

 →→→胃がん、大腸がん、肺がん、白血病、肝癌など

・肝機能障害(凝固因子産生障害)

・外傷、交通外傷、骨盤骨折

・手術、PCIなどカテーテル治療

・前置胎盤、胎盤早期剥離、多胎妊娠、早期破水、遺残胎盤、子宮弛緩

・転倒転落歴(硬膜外出血などの危険)

・NSAIDSやステロイドの長期服用(消化管出血のリスク)

・貧血(少量の出血で酸素供給に影響が出る)

・地域性(割礼)

 

2.リンケージによる目標設定

   (NOCの後半に載っています)

 ※「リンケージ」は「NANDA」「NIC」「NOC」をつなぐ役割があります(リンクは「連結」の意味)。

1)リンケージ上の成果

・循環動態(0401)

(定義:体循環と肺循環の重要な血管を、血液が正常な灌流圧を保って停滞することなく一方向に流れること)

・血液凝固(0409

(定義:血液が正常範囲時間内に凝固する程度)

・転倒予防行動(1909)

(定義:身の回りの環境で転倒を引き起こす危険因子を最小にするための患者または介護者の行動)

2)目標

大出血となる疾患の管理を行う。(動脈瘤・静脈瘤、動脈解離、がん)

出血傾向では転倒転落や外傷時の止血困難であるため、転倒や外傷を予防する。

侵襲的な処置(PCIや手術)時には、バイタルサインを注意深く観察し、異常の早期発見に努める。

 

3.看護計画

1》観察計画 OP

 ・意識レベル(低下はないか

 ・ショックインデックス(SI)血液減少性ショックの目安

ショックインデックス = 心拍数 / 収縮期血圧 

・0.5 正常(出血量750ml未満)

・1.0 軽症(出血量720~1500ml)

・1.5 中等症(出血量1500~2000ml)

・2.0 重症(出血量2000ml以上)

 ※体重50kgの人の循環血液量は4L(50×8%)くらいですから、ショックインデックス=2.0と言ったら、半分の血液を失うことになり超緊急なのがわかりますよね。

・体温上昇(腸管出血など)

・血圧の低下、上昇

・血圧の左右差(20mmHg以上)→大動脈解離進行の可能性

・四肢のチアノーゼ、冷汗、脈拍の左右差→大動脈解離進行の可能性

・CVPの基準値逸脱(心不全の兆候)

・頚動脈の怒張、肺野水泡音、チアノーゼ、呼吸困難、心雑音(心不全の兆候)

・胸痛、背部痛→大動脈解離進行の可能性

・頻脈(出血性ショックなど)

・ショック症状(5P)

 ・Pallor(蒼白)

 ・Prostration(虚脱)

 ・Perspiration(冷汗)

 ・Pulmonary insufficiency(呼吸障害)

 ・Pulselessness(脈拍触知困難)

・尿量減少(0.5ml/kg/h以下)

・(術後)創部からの出血、縫合不全

・(術後)ドレーンの性状(血性排液が100ml/H以上)

・喀血

・下血、血便

・画像検査→血腫や瘤の発見、ガンの大きさなど

 ・CT、MRI

 ・造影CT・MRI、血管造影

・血液データ

 ・凝固系:出血傾向の把握、出血の有無の把握

・PLT:正常値18万~35万、10万/μL以下で血小板減少

・ATPP活性化部分トロンボプラスチン:正常値28~38秒

・PTプロトロンビン時間:正常値10~15秒以上

 PTプロトロンビン時間活性%:正常値80~100%

・Dダイマー’(2次線溶):明確な基準なし(500ng/ml~1μg/ml以下)

・FDP(フィブリン分解産物):正常値10μg/ml未満

  ・貧血:出血の有無の把握

    ・Hb:正常値 男性14g/dl以上、女性12g/dl以上

    ・RBC:正常値 男性410万/μl以上、女性380万/μl以上

    ・Ht:正常値 男性40~50%、女性36~45%

・皮下出血、紫斑

・採血時の止血困難

・内服薬(抗凝固薬、抗血小板薬、ステロイド、NSAIDS)

・血友病

・ビタミンK不足(ビタミンKは凝固因子産生に関与)

・食中毒O-157(腸管出血性大腸菌)

・DIC(播種性血管内凝固症候群)の誘因

・血小板減少性紫斑病、抗がん剤などによる骨髄抑制、感染症、白血病、SLEなど

・透析、シャントの状態

・多胎妊娠、上位胎盤早期剥離、切迫早産がある際の性器出血、腹痛

・手術前の安静保持の困難

・転倒転落アセスメントスコア(危険度Ⅱ以上)

 →この場合は「転倒転落リスク状態」も立案しましょう。

 ※日本医師会の転倒転落防止マニュアル参照https://www.med.or.jp/anzen/manual/pdf/score.pdf

危険度Ⅰ:1~9点(転倒転落の可能性がある

危険度:10~19点(転倒転落を起こしやすい)

危険度Ⅲ:転倒転落をよく起こす

 

 

2》行動計画 TP

・バイタル測定を実施し、経時的に評価する。極端な変化がある場合は再検し、医師へ報告する。

・自覚症状、他覚症状を経時的に観察し、症状の悪化を認めたら医師へ報告する。

・モニタリングを行い、以上の早期発見を行う。

・ドレーンからの排液の量、性状、臭気を経時的に観察し、正常を逸脱したら医師へ報告する。

・尿の性状、量、臭気、混濁を経時的に観察し、正常を逸脱したら医師へ報告する。

・術前の安静が保持されるよう、支援する。

・疼痛のある場合は、保温やクーリング、投薬などで疼痛緩和を図る。

・安静保持の場合には、清潔ケアなど身の回りの世話を行う。

・シャントの管理を行う。

・採血や留置針を使用する際には、止血の確認を行う。

・創部の管理を行い、創離開・出血や創感染の早期発見をする。

・ドレーンなどの挿入物が引っ張られないように環境整備を行う。

・内服薬の管理と服薬介助を行う(降圧剤など)。

・転倒転落が起こらないように環境整備を行う。

・転倒転落が起こらないように、適した履物の選択を促し、歩行介助で安全な歩行を見守る。

・多胎妊娠では切迫早産が起こりやすいため、骨盤支持ベルトを使用するなど、日常生活上の注意する点を

 習得するための支援をする。

・妊娠中の腹部の痛みや出血の有無の確認、腹部の触診を行い以上の早期発見をする。

・分娩後の子宮収縮を促す(子宮底マッサージ、子宮収縮剤、母乳育児の支援(乳児の吸啜でオキシトシン分泌))

・ストレスの緩和のための気分転換を行う。

 

3》教育計画 EP

・理解を促すために、パンフレットを使用して説明する。

・症状の予測される経過(今後の経過)について説明し、異常があれば知らせるように説明する。

・挿入物を引っ張ったり不潔にしないように説明する。

・異常があればナースコールをするように伝える。

・内服薬は用法・容量を守り、正しく服用することで、症状コントロールができると説明する。

・介護者がいる場合には、病態や管理方法について説明する。

・術前、術後の過ごし方について説明する。

・妊娠経過中の注意事項について説明する。

・産褥期の異常について説明する。

・ストレスを溜めないように気分転換の必要性を説明する。

投稿者

florence.no.tomoshibi@gmail.com

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