領域11 「安全/防御」

類5 防御機能  非自己から自己を自分で守る過程

00217 アレルギー反応リスク状態

看護診断:アレルギー反応リスク状態

定義:多様な物質に対して過剰な免疫反応または免疫応答が起こりやすく、健康を損なうおそれのある状態

  

1.アレルギー反応とは

 アレルギーとは免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。 通常、免疫は異物(非自己)を体内から排除する防御システムである。 アレルギーは発生機序により大きくⅠ~Ⅳ型に分類される(GellとCoombsの分類)。

GellCoombsのアレルギー反応の分類

型反応(即時型アナフィラキシー型)

・抗体:IgE

・メディエーターサイトカイン:ヒスタミン、ロイコトリエン

 メディエーターとは伝達物質のこと

・抗原:ハウスダスト、ダニ、花粉、真菌、薬剤、ハチ、食品

・皮膚反応:即時型15分~20分

・代表疾患:アナフィラキシーショック(★1)、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息、蕁麻疹

Ⅱ型反応(細胞障害型、細胞融解型)

・抗体:IgG、IgM IgGが自己の細胞に結合し、それを認識した白血球が自己の細胞を破壊する

・メディエーターサイトカイン:補体系

・抗原:外来性抗原、自己抗原

・代表疾患:不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、薬剤性溶血性貧血、顆粒球減少症、血小板減少症、グッドパスチャー症候群、B型肝炎、C型肝炎、ペニシリンアレルギー(ペニシリンは生物由来)

Ⅲ型反応(免疫複合体型)

・抗体:IgG、IgM 抗原・抗体・補体が互いに結合した免疫複合体をつくる

・メディエーターサイトカイン:補体系、リソソーム酵素

・抗原:外来性抗原、自己抗原(変性のIgG,DNA)

・皮膚反応:遅発型3~8時間で最大の紅斑と浮腫

・代表疾患:SLE、リウマチ、糸球体腎炎

Ⅳ型反応(遅延型細胞性免疫)

・抗体:感作T細胞

・メディエーターサイトカイン:インターロイキン、リンホカイン

・抗原:外来性抗原(真菌、細菌)、自己抗原

・皮膚反応:遅発型24~72時間で最大の紅斑と硬結

・代表疾患:接触性皮膚炎、アレルギー性脳炎、アトピー性皮膚炎、移植拒絶反応、結核性空洞、類上皮細胞性肉芽腫、薬剤性肺炎、ギランバレー症候群、ツベルクリン反応

 

★1 アナフィラキシーショックとは

日本アレルギー学会 「アナフィラキシーガイドライン」より引用

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/guideline_slide.pdf

1)定義

アナフィラキシーとは・・・ アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状 が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応

②アナフィラキシーショックとは・・・ アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合

 

2)アナフィラキシー診断基準

3)アナフィラキシー重症化因子

4)アナフィラキシーが起きてしまった場合の初期対応

5)エピペンの使用方法

    

2.看護診断「アレルギー反応リスク状態」の適応

型反応のリスク=アレルゲンへの暴露

・食べ物:キウイ、甲殻類、そば、小麦、大豆、パイナップル、ピーナッツなど

・環境アレルゲン:ハウスダスト(ホコリ、カビ、フケ)、花粉

・気管支喘息患者の気道への刺激:乾いた空気、冷たい空気など刺激となりうるもの。

型反応のリスク

・不適合輸血

・自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、薬剤性溶血性貧血、顆粒球減少症、血小板減少症、グッドパスチャー症候群、B型肝炎、C型肝炎

型反応のリスク

・リウマチ、SLE、糸球体腎炎

型反応のリスク

・接触性皮膚炎:金属アレルギー、ラテックスアレルギー、漆

・アトピー性皮膚炎

・移植拒絶反応

  

3.目標設定

リンケージによる目標設定(NOCの後半に載っています)

 ※「リンケージ」は「NANDA」「NIC」「NOC」をつなぐ役割があります(リンクは「連結」の意味)。

1)リンケージ上の成果

・アレルギー反応:全身性(0706)

(定義:特定の環境(外因性)抗原に対する全身の過敏性免疫反応の重症度)

・アレルギー反応:局所性(0705)

(定義:特定の環境(外因性)抗原に対する局所の過敏性免疫反応の重症度)

・ショックの重症度:アナフィラキシー(0417)

(定義:急激に発症した全身の過敏性反応に伴う血管拡張や、毛細血管透過性の亢進によって生じた組織灌流に不十分な血液状態を示唆する症状及び徴候の重症度)

2)目標

目標は、患者さんを「主語」にします。
「看護者が○○できる」ではなく、
「患者さんが○○できるようになる」といった具合です。

・自身にあるアレルギーを自覚し、アレルゲンを避ける生活をすることができる。

・重度の花粉症で生活に支障をきたす場合には、医師に相談し、治療を受けることができる(脱感作療法、鼻腔粘膜焼灼術など)。

・発疹、かゆみ、呼吸困難などアレルギー反応について述べることができる。またその反応を見たら、医療機関を受診することができる。

・エピペンを所有している場合には、アナフィラキシーショックの前兆が見られたら、エピペンを使用することができる。介護者や養育者も使用法を述べることができ、適時に使用することができる。

※看護師の目標としては以下のようなものが挙げられると思います。

・薬物投与や食事によるアレルギー反応を早期に発見し、悪化を防ぐ。

・患者がアレルゲンについて理解し、アレルゲンを回避する生活方法習得のための支援を行う。

  

4.看護計画

1)観察計画《OP》

リンケージの成果別に観察計画(OP)を立案していきます

〈アレルギー反応:全身性 0706〉〈アレルギー反応:局所性 0705〉

・血液検査(特異的IgE抗体検査:RAST)による原因となる抗原

・アレルゲンへの暴露

・咽頭浮腫

・顔面浮腫

・安静時の呼吸困難感

・喘鳴・狭窄音・副雑音

・頻脈・血圧低下・不整脈

・肺水腫

・意識レベルの低下

・全身の掻痒感・蕁麻疹・全身の落屑

・点状出血・紅斑

・皮膚温の上昇・発熱・悪寒

・悪心・嘔吐・下痢

・アナフィラキシーショック

・抗アレルギー薬の服薬

・抗アレルギー薬の服薬コンプライアンス

〈ショックの重症度:アナフィラキシー 0417〉

・血圧低下・心拍数増加・不整脈

・尿量減少

・意識レベルの低下・せん妄

・鼻炎

・喘鳴(ヒューヒュー・ゼーゼー)

・咽頭痙攣・気管支痙攣・呼吸困難・PaO2の低下

・暖かく紅潮した皮膚

・口唇・眼瞼・舌の浮腫

・血管性浮腫

・手足の浮腫・陰部の浮腫

・感覚異常

・掻痒感

・腹部痙攣・嘔吐・下痢 

  

2)行動計画《TP》

・新たに投与する薬剤の使用で、呼吸状態の異常、皮膚状態の異常、意識レベルの変容、バイタルサインの異常が見られたら、使用を中断し、直ちに医師へ報告する。

・意識のない場合にはスタッフコールで人を集め、CPRを開始する。

・医師の指示に従い、観察、記録・時間の計測、胸骨圧迫、バッグバルブマスク、抹消静脈確保、薬剤準備・投与、DC(除細動)準備、挿管準備、採血など、声を出しながら連携して行う。

・ご家族へ連絡を行う。

・点滴や胃管チューブなどのルート類を整理し、清潔・安全に管理する。

・発疹に軟膏指示が出ている場合には、塗布する。

・緊急時でない場合にも、投与後の持続する腹部症状や皮膚症状など発見したら医師へ報告する。

  

3)教育計画《EP》

・アレルゲンが特定している場合には、アレルゲンを回避する方法をパンフレット等で説明する。(アレルギー学会や文部科学省などがパンフレットをHP上で紹介しています)

参考:日本アレルギー学会、厚生労働省監修の「アレルギーポータル」参照https://allergyportal.jp/

・花粉症やハウスダストでは、脱(減)感作療法を受けるという選択肢もあると説明する。

・食事や薬物投与の際に、息が苦しい、気分が悪い、意識が朦朧とするなどの異常な症状があったらナースコールで知らせるように説明する。

・医師の指示に従って、内服薬や吸入薬は用量用法を守るように説明する。

 

参照文献
T.ヘザー・ハードマン 上鶴重美. (2016). NANDA-I 看護診断 定義と分類 2015-2017. 医学書院.
岡庭豊. (2012). 看護師・看護学生のためのレビューブック. 株式会社 メディックメデイア.
岡庭豊. (2019.3). イヤーノート2020. 株式会社メディックメディア.
黒田裕子(訳). (2015). 看護成果分類(NOC)原著第5版 成果測定のための指標・測定尺度. エルゼビア・ジャパン株式会社.
山口徹 北原光夫 福井次矢. (2012). 今日の治療指針.
山内豊明. (日付不明). フィジカルアセスメントガイドブック. 医学書院.
大橋優美子 吉野肇一 相川直樹 菅原スミ. (2008). 看護学学習辞典(第3版). 株式会社 学習研究社(学研).

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投稿者 FlorenceMYM

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